『初恋の悪魔』満島ひかり演じるリサと過ごした“もう一人の”摘木 さらに怪しくなった雪松

 リサの元で過ごした、同じような境遇の少女たちとの共同生活。それが破綻するタイミングで、突然記憶を失った“もう一人の”摘木は7年後に記憶を取り戻し、警察官になっている(それが2019年の出来事であることは警察署に貼られたポスターが示している)。その7年間は“普段の”摘木でいたと考えられるわけだが、「家出した子に声かける仕事に就こう」と生活安全課の刑事になったきっかけは、“もう一人の”摘木の経験によるものが大きいと見える。

 そしてその時にはリサは殺人事件で指名手配されており、その捜査に当たっていた朝陽と出会う。リサを連れて逃げようとした矢先、リサを追っていた朝陽に撃たれてしまう“もう一人の”摘木。これが第3話で語られた、小洗(田中裕子)のもとでこっそりと治療してもらったという過去につながる。そこからは“普段の”摘木であり、ふたたび“もう一人の”摘木が目を覚ますのは2年後。つまり、朝陽が殉職した時には“もう一人の”摘木は“普段の”摘木のなかで眠ったまま。朝陽のスマホをなぜ摘木が持っているのかというすでにある謎のアンサーに、“もう一人の”摘木は合致しないことになる。

 無論、朝陽の件についても現時点で最も怪しい存在が雪松であるのは変わりなく、終盤で馬淵がやんわり問い詰めるように、スマホの中身に何らかのヒントが隠れているのだろう。また5年前の事件とリサの犯した3年前の事件が同一犯によるものであれば、先述の通り雪松はどちらにも何らかの関与があるとも捉えられ、すべてがひとつに繋がるのだが、最後の最後に現れたもうひとつの死体。坂元裕二脚本の巧妙なパズルは、まだ外枠すらも見せられていないのかもしれない。

■放送情報
『初恋の悪魔』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、安田顕、田中裕子、伊藤英明、毎熊克哉、満島ひかりほか
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生ほか
プロデューサー:次屋尚ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hatsukoinoakuma/
公式Twitter:@hatsukoinoakuma
公式Instagram:@hatsukoinoakuma_ntv

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