コリン・トレボロウ監督が『ジュラシック・ワールド』シリーズを完結させた今、思うこと

『ジュラシック・ワールド』シリーズが終わりを迎えて

――本作のように、最も人気のあるシリーズを完結させることは、簡単な仕事ではなかったと思います。その過程で最も挑戦的だったことは何でしょう?

トレボロウ:全てのキャラクターに敬意が払われ、リスペクトされていると感じさせることが非常に挑戦的でした。なにせ、本作にはレガシーキャラと『ジュラシック・ワールド』のキャラが一堂に会しますからね。しかも、クレアやオーウェンだけではなく新たな登場人物もいて、彼らも映画が終わる頃にはみんなと同じくらい重要なキャラクターとして、同じ場所に立っている。ディワンダ・ワイズ演じるケイラ・ワッツも、グループにとってなくてはならない存在になり、それを限られた時間の中で成功させることが最大の挑戦だったと思います。ただ、俳優が見事にやってのけました。

――ケイラは良いキャラクターでしたね。さて、1作目の『ジュラシック・ワールド』から始まり、あなたは長きにわたってこのシリーズに携わってきたことがわかります。そんなトレボロウ監督にとって、改めて『ジュラシック』シリーズとは何ですか?

トレボロウ:私にとって『ジュラシック』シリーズは地球上にいる我々人類が、どれほど最近の存在であり、脆弱であるかを思い出させてくれる存在です。そして恐竜がそのことを思い出させてくれるのは、非常に強力なやり方ですよね。なので私はこの映画を観終わった観客が映画館を出て、我々よりも遥か長く生き残ってきたこの生物たちに対して敬意を感じてくれることを願っています。彼らがどれだけ長く生きていたか、それは考えるだけでも驚くべきことなんです! まるで星を見ているかのようなものだ。我々人類にとってあまりにもスケールが壮大すぎて理解できないことの一つだとも思いますが、その意味深さと力強さは理解することができるでしょう。

――『ジュラシック』シリーズの大ファンとして聞くことを避けられない質問なのですが、これで本当にシリーズは“終わり”なのでしょうか?

トレボロウ:私は28年間の間伝えられてきた物語の終わりを描きたかった。そして私にとって、これが“終わり”です。この映画が終わること、それは3つの『ジュラシック・ワールド』作品の終わりだけでなく、『ジュラシック・パーク』を含む6作品の終わりを意味します。恐竜と人間が共存する新しい世界と、新たなキャラクターを同時に紹介しながら、「本作で全ての終わりを描くことができる」、そういう気持ちになりました。かなり野心的だったと思います。しかし、特に『ジュラシック・ワールド』3部作のストーリーアークを追ってきた人にとっては、そうなると感じていました。ただもし、新たな若きフィルムメイカーがヴィジョンを持って門を叩けば、我々は新たなテーブルを用意して、彼らに機会を与えたいと思います。

――Netflixオリジナルシリーズ『ジュラシック・ワールド:サバイバル・キャンプ』も手がけていましたが(7月21日配信のシーズン5を以て完結済み)、もうこれが最後の監督による『ジュラシック』作品ということなんですね。

トレボロウ:まあ、今のところ恐竜に関して私が言いたいことは言い切った気がしています。しかし、我々はシリーズを通していくつも面白いことを仕掛けているので、ファンの方々は未来でガッカリしないと思います。

■公開情報
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
全国公開中
監督:コリン・トレボロウ
脚本:エミリー・カーマイケル、コリン・トレボロウ
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール、ディワンダ・ワイズ、マムドゥ・アチー、BD・ウォン、オマール・シー、イザベラ・サーモン、キャンベル・スコット、ジャスティス・スミス、スコット・ヘイズ、ディーチェン・ラックマン、ダニエラ・ピネダ
キャラクター原案:マイケル・クライトン
ストーリー原案:デレク・コノリー、コリン・トレヴォロウ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー、コリン・トレヴォロウ
配給:東宝東和
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