『メイドインアビス』第2期も盤石の面白さ 可愛らしい絵柄と過酷な世界観に引き込まれる

 7月6日、人気アニメ『メイドインアビス』の第2期『烈日の黄金郷』の放送がスタートした。

 同作は『WEBコミックガンマ』(竹書房)にて不定期連載されている、つくしあきひとによる漫画が原作となっている。物語の中心にあるのは、「アビス」と呼ばれる巨大な縦穴。探窟家たちは奈落に近づけば近づくほど大きくなる目眩や吐き気、死などの上昇負荷を覚悟しながらも、ロマンを求めて深層へと旅立っている。そんな同作は、可愛らしい絵柄と不思議な世界観、所々に出てくるグロテスクな表現で多くの読者を引きつけてきた。

 アニメ第1期が放送されたのは、2017年7月から9月。放送当初からストーリー展開の面白さと魅力あるキャラクターによって、大きな話題となっていた。それから5年たった今、満を持して第2期がスタートしたというわけだ。

 第2期は、主人公・リコとロボットの少年・レグ、アビスの中で出会った成れ果て(上昇負荷によって異形となった者)であるナナチの3人が、深界六層「還らずの都」に進んだところから始まる。第1話で明かされるのは、リコたちよりももっと昔、アビスにある“黄金郷”を目指したガンジャ隊の話だ。リーダーのワズキャン、通訳などを担当しているベラフ、星の羅針盤を有しているヴエコ、ガンジャ隊が辿り着いた孤島(「アビス」がある南ベオルスカの孤島)の原住民の少女・イルミューイなどのかつてが描かれている。第2期のストーリー展開の基礎になる部分である。

 第2話はリコ、レグ、ナナチサイドへ。死に至る上昇負荷により帰還が不可能となってしまうラストダイブを経て、深界六層へ到着した3人。初めて見る光景を嬉々として観察し続けるが、その背後からは何者かが忍び寄る。寝ている間にリコの白笛となったプルシュカが盗まれてしまい、それを取り戻しに行くのだが、ここで辿り着いた先も第2期のストーリーにおいて重要な場所である。

 こうして第1話、第2話で第2期の土台があらかた作られた。そして、この時点ですでに同作の面白さが詰まっていたのではないだろうか。まず、なんといっても画がかわいらしい。小説であればキツい描写になってしまうようなシーンであっても、この画で表現されることによってかなりマイルドになっている。例えば深界六層に向かう途中、リコがレグとナナチの前で用を足しているのだが、それもこのかわいらしい画があってこそ成立している。

 また、不思議な世界観も健在だ。深界六層は普通の世界ではあり得ないことが次々と起こる。第2話でも毒気を含んだ地熱らしきものが泡状に膨れ上がり、爆発するシーンがあった。色彩もどこか特殊で、この世のものとは思えない雰囲気をまとっている。

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