オースティン・バトラーが“エルヴィス”になるまで 魅力の根源と変化に迫る

 『エルヴィス』として役を獲得するために、「アンチェインド・メロディ」を歌う姿を監督に送ったバトラー。デンゼル・ワシントンからのお墨付きもあり、すでにキャリアもある同世代の俳優たちを抜いて、エルヴィスという大役をゲットしたのだ。彼の演技に対する才能や努力、人柄までも人の心を動かす力があったのだろう。

 今まで演じてきた役柄は、ティーンの憧れ的な存在や視聴者をドキドキさせるロマンス相手としての役割が多かった。また重要なグループのうちの一人として、ストーリーの中心人物とは言えないものの、テーマを引き立てる役柄もこなすことができる俳優だ。

 一方で、今回演じたエルヴィスは実在した人物でもあるため、彼のエルヴィスへの「憑依」がよくわかり、実力が浮き彫りになる作品となった。普段は特に歌うわけでもなく、ダンスもしないというバトラー。もちろん、エルヴィスの話し方や仕草を真似るため、過去の動画を見たそうで、年代ごとに変わる彼の話し方にも注目して演じ分けたとのこと。インタビューでも、まだ少しエルヴィスっぽさが残っているように感じるのは気のせいだろうか。自身を「シャイ」と表現するオースティン・バトラーからは想像できないほど、一つ一つのステージを大勢の前で完璧にこなす。そしてステージに依存していると思ってしまうほどのパフォーマンスとファンを愛するエルヴィスの熱量までもスクリーンから伝わってくる。かつて女性たちが熱狂した足腰の動きは、映画館でオースティンを観ていても声をあげてしまいそうになるほどだ。

 これから『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編や、『Masters of the Air(原題)』といったハリウッド大作の出演が決定しているバトラー。まさに、エルヴィスが通った道と同じようにスターダムへの道を確信的なものにした。

参照

https://youtu.be/BnWGXDcW1B8
https://youtu.be/XmmtCRKEec4
https://youtu.be/blaItL0hnQw

■公開情報
『エルヴィス』
全国公開中
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨング
配給:ワーナー・ブラザース映画
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