長屋龍二役の鈴鹿は、広瀬すずに見出されたという紹介文が不要になるほど、その活躍は多岐にわたっている。鈴鹿が最初に注目されたのは2019年の映画『蜜蜂と遠雷』で、天衣無縫のピアニスト風間塵を演じて各賞の新人賞に輝くと、『MIU404』（TBS系）では愉快犯を企てる高校生で、久住（菅田将暉）に誘われて違法ドラッグの売人になった後、刑事の九重（岡田健史）に救出される成川岳を演じて話題を呼んだ。

　『ドラゴン桜』で鈴鹿が演じたのは、学年トップの成績を持つ藤井遼。藤井は楓たちを見下していたが、東大専科との対決に敗れ、桜木の指導を受けるうちに自らの弱さを受け入れる。試験当日、他校の生徒に絡まれていた健太（細田佳央太）をかばって不合格となるが、藤井は同作でもっとも成長したキャラクターだった。映画化された『ホリミヤ』（MBS／TBS）や主演を務めた『クロステイル 〜探偵教室〜』（東海テレビ・フジテレビ系）では、久保田紗友や堀田真由ら同世代との共演で、みずみずしさだけではない確かな存在感を示した。

　鈴鹿の持ち味として、定型的な人物造形にとどまらず、善にも悪にも染まる揺れるキャラクターを表現できる点が挙げられる。前述した『MIU404』や『ドラゴン桜』、志田彩良と『ドラゴン桜』以来の再共演となった映画『かそけきサンカヨウ』では、心の動きがダイレクトに伝わってきた。登場人物の心の葛藤や敵役の改心はドラマの重要なファクターであり、視聴者が感情移入するポイントだ。鈴鹿がストーリーを大きく動かす役どころを担えることは心に留めておきたい。

　『ドラゴン桜』以降、飛躍を遂げた平手と鈴鹿。1年ぶりの再共演では、成長した2人を目にすることができそうだ。

■放送情報
『六本木クラス』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00〜21:54放送
主演：竹内涼真、新木優子、平手友梨奈、早乙女太一、鈴鹿央士、香川照之、稲森いずみ、緒形直人、光石研、中尾明慶、矢本悠馬、さとうほなみ、近藤公園、田中道子
原作：チョ・グァンジン『六本木クラス～信念を貫いた一発逆転物語～』（ウェブ漫画／電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」掲載中）、チョ・グァンジン／キム・ソンユン『梨泰院クラス』（テレビシリーズ／JTBC）
脚本：徳尾浩司
演出：田村直己、樹下直美ほか
音楽：高見優
(c)テレビ朝日
公式サイト：https://www.tv-asahi.co.jp/roppongi_class/
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