菅田将暉も絶賛する俳優・中島裕翔 『純愛ディソナンス』で“計算高い男”をどう演じる?

 7月14日より放送がスタートする木曜劇場『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)。Hey! Say! JUMPの中島裕翔が初の教師役に挑み、吉川愛が扮する女子高生との禁断の愛を描く新時代の純愛×ドロドロエンターテイメントとなっている。

 ジャニーズJr.時代から役者経験のある中島は、2013年に放送された『半沢直樹』(TBS系)の半沢を慕う若手行員役で注目された。そして“俳優・中島裕翔”のターニングポイントとなった作品は、NEWSの加藤シゲアキによる処女小説を映画化した2016年公開の『ピンクとグレー』だろう。スクリーンデビューとなった本作で主演を務めた中島は、菅田将暉、柳楽優弥との演技合戦にも怯むことなく、ある時は頂点にいる男の色気とオーラを醸しだし、またある時はなかなか芽が出ない俳優の冴えなさぶりを見事に表現した。

 この撮影を通じて中島と親しい関係となった菅田は、中島を「邪気のない天使のような人柄」(※1)と絶賛しつつ、その対応力やコミュニケーション能力など俳優として高い資質の持ち主であることを指摘している。中島を含めてジャニーズには演技映えのするメンバーが多い印象だが、それは卓越した身体能力と、場の雰囲気を読んでの臨機応変なアウトプット力が演技において活かされているからだろう。

 そんな中島の守備範囲の広さを認識できるのが、2016年放送のスペシャルドラマ『刑事バレリーノ』(日本テレビ系)の臼島くるみ役だ。新人刑事の臼島はかつてバレエダンサーを目指していたという設定があり、バレエを彷彿とさせる動きを何かと交えての演技はかなり難しかったはず。しかしそんな苦労を感じさせることなく、中島は刑事ドラマとしての見ごたえも実現しつつ、メガホンを取った堤幸彦監督のユーモア香る独特の世界観をバランスよく体現してみせた。

 また、映画『僕らのごはんは明日で待ってる』で披露した、ネガディブシンキングの地味な青年・葉山亮太役での等身大の演技も味わい深かった。亮太とは正反対のヒロイン・小春(新木優子)との恋の行方が描かれる本作で、 “兄の死”のショックから少しずつ立ち直っていく主人公を好演。この作品では中島の“受けの演技”の巧みさが実感できるはずだ。

 このほかにも2020年には『僕はどこから』(テレビ東京系)で作家志望の心優しき青年を演じたかと思えば、『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)で経歴を詐称する頭脳明晰な天才ニセ弁護士という真逆のタイプの役柄を見事に演じ分けるなど、近年の中島はどれだけ“役者のひきだし”があるのか、興味をわかせる若手実力派俳優の1人となっているのである。

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