『ちむどんどん』に『どうする家康』、映画話題作まで 2022年も続く山田裕貴の快進撃

 山田裕貴の快進撃が続く。現在放送中の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)でもお馴染みの存在なっており、2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』にも本多忠勝役で出演することが決まっている。

 『ちむどんどん』では川口春奈演じる良子の夫・石川博夫を演じており、ここ数週は嫁の良子と石川家の板挟みになって辛い状態になっている。彼のハッキリしない性格が良子をいらつかせているわけだが、もともと博夫は良子のことが好きだったのに、なかなか気持ちを言えず彼女にヤキモキさせていた。そういう意味では、彼のキャラクター性というか性分は変わっていないのだ。演じる山田本人も6月27日放送のニッポン放送『山田裕貴のオールナイトニッポンX』で「(役の性格的に)このまま国民的ドラマで嫌われていくんじゃないか」と心配している。彼が朝ドラに出演するのは『なつぞら』(NHK総合)に続き今回が2度目で、大河も『女城主 直虎』(NHK総合)に続き2度目だ。

 ドラマだけではなく、映画での活躍も目覚ましい山田。2022年公開のもので言うと6作品に出演し、そのうち2つは主演である(残念なことに、そのうちの一作で安田顕とダブル主演だった『ハザードランプ』は公開中止になってしまった)。12月9日に公開される主演作『夜、鳥たちが啼く』で彼が演じる主人公は、売れない小説家・慎一。内側に秘めた破壊衝動と葛藤した鬱屈で複雑な役柄となっている。山田本人も本作への出演の決め手を「こういうテイストの作品もできるんだと言ってもらうべく、俳優としての新たな一面を見ていただける良い機会になるんじゃないか」とコメントしている。

『夜、鳥たちが啼く』(c)2022 クロックワークス

 実際、山田の顔をこれまで多くの作品で見かけるのは、彼の確かな俳優としての実力とその“安定感”を製作側が重宝しているからのように思える。2011年にスーパー戦隊シリーズ『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系)で俳優デビューをした彼は、その後かなり多くの作品にコンスタントに出演してきた。その役柄は幅広く、気さくな同級生役もヤンキー役も、根暗な役もサイコパスな役もお手のもの。その中でも、主人公の良き理解者としてアドバイスするような“三枚目キャラ”を演じることが多い気がする。それも、バラエティやインタビューでの気さくな雰囲気や人柄の良い彼のパブリックイメージがあるからこそ、そういった役柄のオファーを受けている印象だ。特に、彼の場合年に複数本出演作があることは珍しくなく、常にかなり忙しそうにしている。それくらい、今の映画・ドラマ界に欠かせない存在なのだ。それを表すかのように、今年の2月には「2022年エランドール賞」の新人賞を受賞し、その功績を残した。

関連記事