ソ・イングクの過去が明らかに  『美男堂の事件手帳』真犯人の影に謎が膨らむ

 第4話では、物語をさらなる奥へと誘う新たな登場人物が。ハンジュンに罪を着せた直接の人物は内部にいた。その人物に魔の手が及び、ハンジュンは命を助けることを条件に命令を下したチェガン建設の理事に会いに行くが、到着する寸前に何者かに理事は殺害されてしまう。葬式に行き、怪しい人物を探すハンジュンの目に1人の男が留まった。男が通り過ぎた後に、男の残した香りから「エジプト産アカシア、没薬、乳香」で最高級の香水だと見破るハンジュン。驚異的な鼻の良さだ。のちに伏線回収されそうな部分であるが、ハンジュンが並外れた洞察力、推察力、推理力に五感の鋭さを巧みに操り、プロファイルしたことを霊感と称していることが解る。

 ジェヒの亡き兄のシーンでは、兄役の俳優に驚いた。カメオ出演なので楽しんでほしい。

 全体像に至るパズルのピースが一つ一つ追加されていく中、『美男堂の事件手帳』のコメディ部分にも言及したい。ハンジュンのON/OFFの違いが魅力的だ。OFFでは、凄まじい臭気の足を嗅ぎ、大金が舞い込み、結婚を迫られ、悪者を懲らしめ、コミカルな動きでにらめっこしたら笑ってしまう、ソ・イングクのはじけっぷり。普段は見ることのできないファニーな表情がボディブローのように効いてくる。ONのスイッチが入ると、巫堂の表情とは一変し、目つきが変わる。

 「俺に構うな、好きになるな、警告だ」「だって気になるんだもん」そう交わすハンジュンとジェヒの掛け合いは、言葉を聞くと恋の始まりだ。不信感を持っているハンジュンの善の姿を偶然、垣間見たジェヒの心の葛藤が、ハンジュンの事件を調べなおすという行動に現れたように、事件の真相へと近づくにつれ、2人の仲も近づいていくのだろう。2人がお互いを意識し合う展開は来るのか、さらに見えてくる謎とともに追っていきたい。

■配信情報
『美男堂の事件手帳』
Netflixにて配信中
(写真はKBS公式サイトより)

関連記事