『ちむどんどん』愛と和彦のすれ違い 第13週は“働くカップル”の悩みもテーマに?

『ちむどんどん』が描く、働くカップルの悩み

 NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第13週は前週に増して、よりそれぞれの登場人物の恋愛が描かれる模様。週タイトル「黒砂糖のキッス」からもわかるように、誰かさんと誰かさんの距離が一気に縮む予感しかしない……やはり、暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)なのか。第60話で、ついに和彦への好意を自覚してしまった暢子。第61話ではその初恋に戸惑い、仕事も上の空でミスを連発していた。そう、大人になってからする「恋愛」という名の心の乱れは、仕事に直結してしまうので厄介な部分がある。

 そういった彼女のもがきの背景で、他の2組のカップルが同じように「恋人との関係×仕事」で悩んでいる姿が印象的だ。まずは良子(川口春奈)と博夫(山田裕貴)。良子はずっと教師として復職することを望み、その度に那覇の実家から反対されている博夫と喧嘩をして離婚の危機になっていた。しかし、ついに自分の意志で博夫と別居、復職を果たす。ところが、復職したばかりの仕事では生徒とのコミュニケーションを誤ってしまい、何だか思っていたように行かずに悩んでしまう。そんな彼女がふと、原点回帰できるヒントになりそうだったのが、第60話で優子(仲間由紀恵)に「晴海が大きくなって、『なんでお父さんと結婚したの?』って聞かれたら何て答える?」という問いだ。

「先生になるために、勉強している時に出会って……お父さんと一緒に沖縄の未来を考えていきたいねって話し合って。お互いに、立派な先生に、一緒になりたいと思ったから」

 そう答えた良子だったが、最近は自分の仕事の話や相談を博夫にしなくなってしまった。というより、一向に本家との話し合いに決着をつけず優柔不断ではっきりしない彼のことを半ば“ダメンズ”認定し、彼女の中で彼に頼るという概念が薄れてしまったのではないだろうか。彼の実家が仕事に全面的に反対している背景ももちろん、関係しているだろう。しかし、もともと彼は自分の良き相談相手だった。そこには同じ先生という立場である彼への尊敬もあったはずなのだ。復職のこと、石川家のことを無視した二人だけの関係性の中で、彼女が仕事の相談を彼にすることで、博夫もまた力になってあげられているという自尊心を取り戻すことができるし、二人の関係が好転するようになるのではないだろうか。

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