『明日、私は誰かのカノジョ』は実写化の成功例に 的確だった原作からの変更点
第6話で真矢萌(箭内夢菜)が行きつけのミックスバー「TRAP」で飲んでいるところに、高橋優愛(齊藤なぎさ)が入店するシーンはところどころ省略されていた。原作では、半袖から見えるびっしりと傷が刻まれた優愛の腕にマスター・みっこ(品田誠)が驚愕するが、ドラマでは優愛は長袖を着ており、傷に触れられることはなかった。さすがにカット痕を視聴者に見せるわけにもいかず、仮に“安心して見られる傷”にしてもチープさが出るため、ナシにしたのかもしれない。
また、可愛いものが好きで、メイクもたしなむ「TRAP」の男性従業員・小森翼(ゆうたろう)に「ばさやんはゲイなの?」とゆあが無邪気に聞くシーンがカットされたことは残念。セクシャルマイノリティに対する配慮なのかは不明ではある。しかし、原作ではこの問いに「僕は……男の人と女の人 どっちが好きなのか 自分でもわからなくて……」とオドオドしながらも自分の気持ちを口にしており、ドラマでも見たかった勇気あるシーンのひとつだった。
とはいえ、基本的には原作通り進むため、原作ファンも安心して視聴できる実写化であったことは間違いない。ドラマから初めて『明日カノ』に触れ、原作に興味を持つ人も多かったはずだ。原作は過激なシーンも珍しくなく、むしろその過激さも魅力の一つである。ドラマで興味を持った人はこれを機に原作を手に取ってみてはどうか。
■放送情報
MBS/TBSドラマイズム『明日、私は誰かのカノジョ』
MBS/TBSにて放送中
MBS:毎週火曜深夜0:29〜/TBS:毎週火曜深夜1:28〜
出演:吉川愛、横田真悠、齊藤なぎさ(=LOVE)、箭内夢菜、楽駆、井上想良、ゆうたろう、福山翔大、藤原樹(THE RAMPAGE)、高野洸、宇垣美里ほか
監督:酒井麻衣、近藤幸子、菅原正登
脚本:三浦希紗、川原杏奈、イ・ナウォン
原作:『明日、私は誰かのカノジョ』をのひなお(サイコミ/Cygames)
オープニング主題歌:Amber’s 「Desire -欲情本能-」
エンディング主題歌:DUSTCELL「足りない」(KAMITSUBAKI RECORD)
製作:「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
(c)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
公式サイト:https://www.mbs.jp/asukano/
公式Twitter:@dramaism_mbs
公式Instagram:dramaism_mbs