『ちむどんどん』縁談はカオスな展開へ 金吾と善一さんの幸せを願ってやまない
本来であれば、自分の幸せを叶えることに抵抗を示してしまうほど、抑圧的な状況下にあった良子がようやく、自分の本当の人に添い遂げられるという感動的な展開。なのに、なんだか実直に色々用意もしてくれた(お父さんに関しては、息子の嫁になる彼女のために10万円も疑うことなく出してくれた)喜納家が不憫に見えてしまう。しかし、金吾は最後まで持ち前の笑顔で「良子さんを、必ず、幸せにしてください」と博夫に頼むのであった。
金吾のこれまでのアプローチが全て正しかったかというと、そうでもない。ストーカーのように付き纏い、職場にも押しかけていたのだから。ただ、常に愛を伝える素直さや、「絶対あなたを幸せにする」という責任感は立派だった。ある意味、博夫とは対極の存在であり、『ちむどんどん』に登場してきた男性キャラクターの中で、一番好感度が高かったのではないだろうか。走ってその場を去る金吾を追いかける両親。お父さんは善一(山路和弘)さんに「どういうことだ」とでも言いたげな雰囲気で、怒っていた。
長きにわたって比嘉家を見守ってきた善一さんも、比嘉家のためになることをしようとして、またダメにされてしまった可哀想な人だ。今度は地域で一番の良家の顔に泥を塗ったことを比嘉家の代わりに謝らなければいけない。彼が良子と博夫に対して激烈に祝福しているという様子ではなく、「もう、わかった、わかったよ」と無言で、どこか諦めた笑顔で肩を叩くのがリアルなリアクションだった。金吾と善一、この二人にはいつか本当に幸せになってもらいたいところだ。
さて、東京にいる暢子も早速姉から吉報を受けるわけだが、お祝いの言葉よりも自分のペペロンチーノの話をしたくてたまらない。特に姉の結婚話に興味を示さず、いざ迎えた対決本番。彼女の作ったペペロンチーノをレストランのみんなが食べるが、その反応やいかに。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK