吉岡里帆、役者としてのポリシーは“パワーを届けること” 「どんな作品に出演するかが大事」

「過去の自分自身と比べることのほうが意味がある」

ーー『ハケンアニメ!』では、吉岡さん演じる新人アニメ監督・斎藤瞳率いる『サウンドバック 奏の石』のチームと、中村倫也さん演じる天才アニメ監督・王子千晴率いる『運命戦線リデルライト』のチームによる“ハケン(覇権)争い”が描かれますが、吉岡さんは仕事をする上で同業の役者の方を意識したりライバル視したりすることはありますか?

吉岡:こればっかりは比べない方がいい仕事だなと思います(笑)。比べてしまうと、その時点であまりプラスがないというか。「この人にしかできない」というオリジナリティーを求められる仕事なのに、誰かと競うことに意味がない気がして、そこは意識しないようにしています。

ーーそのスタンスは昔から変わらないですか?

吉岡:このお仕事を始めたときは、そもそもそういうことを考える余裕がなかったかもしれません(笑)。最初はまず自分のことを知ってもらわなきゃいけないし、自分自身に何ができるかを考えなければいけないし……という感じでした。そこから次第に経験を積んで頭がクリアになってくると、誰かと比べるよりも、やっぱり自分ができることを伸ばすほうが大事だなと思うようになりました。誰かと比べるのではなくて、過去の自分自身と比べることのほうが意味がある気がします。

ーー過去の自分の作品のなかで、「超えたい」と思うような作品は?

吉岡:それは圧倒的に『カルテット』(2017年/TBS系)です。あのときは、周りの先輩たちに対してももちろん緊張していましたし、有朱という役についても、「どうしてこんなに難しい役なんだ……」と理解できなくて。でも、プロデューサーの佐野亜裕美さんが、5ページくらいある長台詞のシーンの台本が上がったときに、直接その台本を持ってきてくださって、「ここで決めたら本当に人生が変わるから」「(脚本の)坂元裕二さんもすごく思いを込めて書いたセリフだから、大変だと思うけど頑張れ」って言ってくださって。そのときに、ドラマの台詞が誰かの人生を変えることがあるんだと実感しました。佐野さんのことは本当に大好きで、私にとって恩人の一人ですね。

ーー佐野プロデューサーは海外を意識した作品作りに挑まれていますが、吉岡さんも2017年にインタビューさせていただいたときに、「いつかは海外で仕事がしたい」と話されていました(参考:吉岡里帆が語る、女優としての今後 「いつかは海外で仕事がしたい」)。その思いは今も変わらないですか?

吉岡:「絶対にハリウッドデビューします!」というような海外志向なタイプではないですけど、「海外で仕事がしたい」という思いは変わりません。私は日本の映画が大好きで、日本の映画にしかできないこともたくさんあると思うので、そういう映画で海外の映画祭にいつか行けたらいいなと思っています。海外の方が日本の生活や日々のことを知って、心が動いてくれたらすごく素敵なことだと思うので。濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞されたりしているので、日本映画の可能性はすごく広がっていると思います。

■公開情報
『ハケンアニメ!』
全国公開中
出演:吉岡里帆、中村倫也、工藤阿須加、小野花梨、高野麻里佳、六角精児、柄本佑、尾野真千子
原作:辻村深月『ハケンアニメ!』(マガジンハウス刊)
監督:吉野耕平
脚本:政池洋佑
音楽:池頼広
主題歌:ジェニーハイ「エクレール」(unBORDE / WARNER MUSIC JAPAN)
制作プロダクション:東映東京撮影所
配給:東映 
(c)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会 
公式サイト:haken-anime.jp

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