前作『カムカムエヴリバディ』（NHK総合）でも初代ヒロイン・安子（上白石萌音）の兄・算太（濱田岳）が、妹が“和菓子屋たちばな”再建のためにコツコツ働いて貯めたお金を持ち逃げしてしまうことがあった。しかし算太はそれをずっと悔い、安子の娘で自身の姪にあたるるい（深津絵里）に謝罪し、その際に持ち逃げした通帳と、姪孫のひなた（川栄李奈）との出会いから自身が貯めてきた通帳の2通をクリスマスプレゼントに渡していた。そして、病床で自分が種を撒いてしまったるいから安子への誤解について声を絞り出しながら解いていた。

　賢秀は頭のどこかには常に“家族のために”があり、あれこれ動くもののそれが全て裏目に出る上、彼のどうしようもないところは一切“懲りない”ところだ。“一難去っては忘却し、また一難”という具合に。妹のお金にまで手を出してしまい、いよいよ視聴者からも心底愛想を尽かされてしまっている賢秀だが、今後信頼を少しずつでも取り戻せるのだろうか。料理大会でライバル校の悪意を跳ね除け、暢子のピンチを救った賢秀の底抜けの明るさと邪気のなさ、打算なく“家族のために”と思う気持ちが発揮される場面はあるのだろうか。

　大人しくしておいてもらった方がいいかもしれないという気持ちも正直否めないものの、暢子の勤務先の一流イタリアンレストランと賢秀の組み合わせが見てみたいという怖いもの見たさの気持ちがせめぎ合う。オーナー・房子（原田美枝子）から何かの因縁か、いきなり10連勤を言い渡された暢子。彼女のピンチにまた賢秀はふらっとどこからともなく駆けつけるのだろうか。神出鬼没すぎる賢秀が次に起こす行動は吉と出るのか凶と出るのか。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演：黒島結菜
作：羽原大介
語り：ジョン・カビラ
沖縄ことば指導：藤木勇人
フードコーディネート：吉岡秀治、吉岡知子
制作統括：小林大児、藤並英樹
プロデューサー：松田恭典
展開プロデューサー：川口俊介
演出：木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供＝NHK