津田健次郎の躍進が止まらない!? 『俺かわ』『ナンバMG5』などドラマでも引っ張りだこに

 ドラマ『ナンバMG5』(フジテレビ系)では柴犬・松の吹き替え兼ナレーターを務め、山田涼介主演ドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)では山田演じる主人公丸谷康介の恋敵・須藤周平役として出演するなど、今期のドラマでも引っ張りだこの津田健次郎。先日はNetflixで主演アニメ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』が配信開始されたり、『TIGER & BUNNY 2』にも参加、そのほか経済番組のナレーションや映画吹き替えと、その活躍ぶりは止まることを知らない。

 津田は2020年度に最も活躍した声優に与えられる、第十五回 声優アワード主演男優賞を受賞するなど、現在の声優界の顔。大人の色気あるイケボが最大の魅力だが、声に劣らずルックスも良く、アニメ『極主夫道』で主人公・龍の声を担当し、そのおまけシリーズとなる実写ドラマ『極工夫道』の龍役を自ら演じ、ドラマ『極主夫道』(読売テレビ・日本テレビ系)で龍を演じた玉木宏に負けない龍ぶりを見せている。彼のルーツは、19歳の大学在学中に、舞台養成所で舞台役者デビューを果たしたところから始まる。声優デビューは、25歳の時に初めて声優オーディションを受けたアニメ『H2』の野田敦役。2000年から『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』での海馬瀬人や、2001年から『テニスの王子様』の乾貞治役と大ヒット作に立て続けに出演し、映画の吹き替えでは『スター・ウォーズ』シリーズでアダム・ドライバーが演じたカイロ・レン役などが印象深く、影のある謎めいたキャラを演じることが多い。

 2020年には窪田正孝主演のNHK連続テレビ小説『エール』のナレーションを担当。この国民的ドラマで毎朝、津田の心地よい声が、優しくも、音楽に対しては情熱的なドラマをしっかりと受け止めていたように感じた。また、登場人物になりかわって1人4役で曲のエピソードの吹き替えを演じたり、実際に役者としても登場するなど大活躍。現在放送中の『ナンバMG5』では難破家の柴犬・松の声を担当しながら、物語の進行役という名のツッコミポジションとして活躍。これまで影のあるキャラの声を演じる印象が強かっただけに、コミカルな役は新鮮だ。

 声優と並行してドラマや映画に度々出演するも、教師や医師など端役が多い印象だった。だが、2021年にドラマ『最愛』(TBS系)では、松下洸平演じる大輝の上司である警視庁捜査一課係長の山尾敦を演じた。当初は部下たちから信頼が厚く、少しお茶目な部分があったりと人情味がありそうな上司だったが、交番からの叩き上げ刑事だからこそ、どこか一筋縄ではいかない雰囲気があり、途中から目的のためなら部下を駒として使う冷酷な本性を現す。おそらく多くの視聴者は俳優としての津田をあまり知っておらず、真犯人を探すミステリーにおいて、変な先入観がないからこそ、何を企んでいるか分からないキャラがハマったのではないだろうか。また、見た目のイケオジ的なワイルドさ、場面によって声のトーンを変えてくるところなど確かな演技力と雰囲気が高く評価され、絶妙なキャスティングとなった。

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