大西亜玖璃の演技力と可愛らしさが詰まった『このヒーラー』 声優界の二刀流として大注目

 癒やしの存在であるはずのヒーラーが、辛辣な言葉を吐いて周囲をイラつかせる。新感覚のギャグファンタジーアニメ『このヒーラー、めんどくさい』。ヒロインのカーラは、本当は仲間とパーティーを組んで旅がしたいと思っているのに、めんどくさい性格がゆえに周りからは避けられてしまい、生まれて初めてパーティーを組んでくれたのが剣士・アルヴィンだった。しかし口をついで出てくるのは、うれしい気持ちとは真逆の相手をたきつけるような言葉ばかり。カーラの言葉に怒り心頭で、ハイテンションでツッコミを入れまくるアルヴィンに対し、まるで他人ごとのように淡々と返し、それがかえって火に油を注いでしまう。

 カーラを演じるのは、『まえせつ!』の主人公・北風ふぶき、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の上原歩夢なども演じている大西亜玖璃。国民的美少女コンテストのファイナリストからなるユニット“X21”のメンバーとして活動後、声優養成所を経て2017年に声優デビュー。

 大西は過去のインタビューで、「中学2年くらいからアニメや声優さんに興味を持ち出して、その時はいちファンとして楽しんでいたんですけど、進路を決める時、最終的には一番やりたい声優の道を選びました。もともと、自分じゃない誰かの人生を生きたら楽しいだろうなあっていう変身願望もすごくありました。」(※1)と声優を目指した動機を明かしている。

 声優デビューから5年、出演数もまだそれほど多くはないが、出演作では次々とメインキャラクターに抜擢される。『このヒーラー、めんどくさい』では、よどみなくノンストップでアルヴィンをののしり続けるテンション感、間合い、声のトーンは視聴者の笑いを引き出し、それでいてどこか可愛げや恥じらいも感じさせるという、絶妙な塩梅で声の演技を披露。彼女の実力とポテンシャルの高さを感じさせる。

 『B.L.T.5月号』に掲載のインタビューでは、「強烈な言葉は強烈っぽく言いたくなるものですが、カーラは素直に言っているだけなので、そのバランス感は難しかったです」とコメント。カーラとアルヴィンのやりとりが生む笑いは、緻密な計算と確かな技術から生まれているのだ。

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