『持続可能な恋ですか?』田中圭の“頑張って”が心強い 杏花と晴太が友達から一歩前進

 杏花はレッスン内で生徒にもその想いを伝える。「“頑張って”も優しさだから」とした上で、「力を抜くために頑張る」「ありのままの自分を受け入れるのは時に苦しいですが、頑張ってそんな自分も認めてあげましょう」と。

 そして、「自分を知るのは難しいです。自分の本当の気持ちを教えてくれるのは時に他人の存在だったりします」「あの人を思う時、心が温かくなるのはなぜか?(中略)悲しくなるのはなぜか?」と。

 杏花と晴太が向き合うシーンが好きだ。互いに合わせ鏡のようになって、自分の見失いかけていた本音や自分自身を再発見し合っているから。飲み込んだ言葉の数だけ、ここぞという時に口を突いて出る他愛のない無関係な話こそが、彼らが互いをどれだけ大切に思っているのかを見事に語るから。

 最後の起業セミナーの帰り道、晴太の差す傘の下、並んで歩く2人がこぼす「雨、止んじゃいましたね」。この一言で、2人がどれだけこの“2人だけの時間”があと数分で終わりを迎えることを惜しんでいるのか伝わってくる。もう少しで杏花の自宅に到着してしまうことも、会う約束をしなくても2人で自然と定期的に会える場になっていた起業セミナーという大義名分がなくなってしまうことも。雨が上がれば、一緒に傘を差す口実がなくなってしまうように。

 「まだ帰りたくない」「また会いたい」そんな言葉の代わりに出てくるのは、あくまで起業セミナーで出会った“友達”の域を出ない言葉ばかりだが、そこから遂に一歩踏み込んだ晴太のハグ。そして、偶然そこに居合わせた颯。一緒に住んでいて杏花と物理的距離は近い颯と、そして今日が終わればもう会う口実を失う晴太。次週、このあまりに香ばしい三角関係がどう転がるのか、はやる気持ちを抑えて見守りたい。

■放送情報
火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上野樹里、田中圭、磯村勇斗、ゆりやんレトリィバァ、井川遥、水崎綾女、清水くるみ、武田玲奈、鈴木康介、松重豊、鈴木楽、柚希礼音、八木亜希子
脚本:吉澤智子
演出:土井裕泰、山室大輔、小牧桜、加藤亜季子
プロデュース:中島啓介、吉藤芽衣
主題歌:幾田りら「レンズ」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/jizokoi_tbs/
公式Twitter:https://twitter.com/jizokoi_tbs
公式Instagram:https://www.instagram.com/jizokoi_tbs

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