イ・ビョンホンの表現力の幅の広さ 『私たちのブルース』でもキャラクターに深み与える

 『私たちのブルース』で演じているドンソクは、トラックで寝泊りする生活を送り、荒っぽくて喧嘩っ早い性格だが、村人の何でも屋となって頼りにされている一面もある。三枚目の役でもイ・ビョンホンが演じることで、カッコ悪いだけでは終わらないキャラクターの深みが増す。

『私たちのブルース』(tvN公式サイトより)

 ドンソクの人生は明るいものではなかったようだ。済州で生まれ育ち、家族に不幸が訪れて生き残った家族は母親のカン・オクドン(キム・へジャ)だけ。しかもある件を理由にでオクドンとの仲は最悪だ。同じ済州にいても顔を合わせることもなく、オクドンが電話をすれば「葬式はしてやるから、死んでから電話をよこせ」と怒鳴りつけるほど。オクドンは余命2カ月と宣告されるが、もちろんドンソクはそんなことは知らない。オクドンが生きているうちに家族に対しての苦しみ、悲しみから解放されるのだろうか。

『私たちのブルース』(tvN公式サイトより)

 ミン・ソナ(シン・ミナ)に思いを寄せるが片思いのまま終わったドンソク。最後に会った時の別れ方が最悪だったせいで、2人は再会してもお互いを避けたままだ。しかし顔がやつれ様子がおかしいソナに、関わりたくないのに手を差し伸べたい、無視したいのにほっとけないドンソクがいた。まだ恋愛感情があるのかはわからないが、怒り以外の感情をあまり出さないドンソクの表情が明らかにいつもと違う。ソナの前を行ったり来たりする姿は、彼の人生のようでもある。イ・ビョンホンが魅せるイ・ドンソクの“ブルース”を最後まで見届けたい。

■配信情報
『私たちのブルース』
Netflixにて独占配信中
(写真はtvN公式サイトより)

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