『ちむどんどん』で前田公輝が体現する誠実さ NHK作品との縁が深いキャリアにも注目
『ちむどんどん』で前田が演じる智は、自分の家の豆腐屋の仕事もしながら第3週目からは名護に新しくできたサンセットバーガーの店員として、ダブルワークもこなすようになる。暢子(黒島結菜)たちのように家計が厳しく、親の手伝いをしなければいけない幼少期を過ごしたわけだが、今の彼はもちろん家のために稼がなければいけないという状況ではあるものの、物語の中で誰よりも働くことに対してモチベーションのある人物である。
第3週は暢子の就職にまつわるトラブルや兄の賢秀(竜星涼)の“ニートっぷり”など、“働くこと”にフォーカスが当てられていた。その中で、智は早く大きな商売ができるようになりたいという野心を抱えて、勉強も兼ねてバーガー屋に勤務することを決意する。第17話でも、フライドポテトの材料を仕入れるために農家に直談判するアツさを見せた。しかも、子供の頃から豆腐屋として人対人の商売コミュニケーションを身につけてきた彼だからこそ、こういった場面でも相手に納得してもらえるような誠実な態度を貫き通せる。歌子が「智ニーニーは商売で成功する」と言ったように、彼のポテンシャルはかなり高い。
正義感も強く、時には家に手伝いが必要な中で勉強会と偽ってダンスに行った良子(川口春奈)を嗜めるような態度を見せることも。一貫して、彼は「誠実」「好印象」「努力家」といったキャラクターとして描かれている。それを体現できるのは、NHKをキャリアの原点に持ち、子役時代から今日にかけて同じようにハングリー精神と誠実さを忘れず仕事をこなしてきた前田だけなのだ。公式プロフィールには「暢子に思いを寄せるが、なかなか気づいてもらえない」と書かれており、今後の彼の恋愛の動向にも注目したいところだ。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK