佐藤健が私たちの想いを背負って叫ぶ 『護られなかった者たちへ』が現代社会で上げた“声”
このたび発売されたソフトの「Blu-ray版」は、本編が収録されたBlu-rayに加え、特典映像が収録されたDVDがセットの2枚組となっており、さらにスペシャルブックレットが同梱されている。特典映像には、完成披露試写会や、撮影地となった石巻での凱旋舞台挨拶、公開直前のトークイベントに、初日舞台挨拶の様子などまで収められている。本作の撮影はコロナ禍一年目のこととあって、クランクインまでが大変であり、最後まで撮り切ることができるのか誰もが不安だったようだ。撮影時と劇場公開時のキャスト・監督の心境や、それぞれが作品にかけた想いを、本人たちの言葉から知ることができる。そして、同梱のブックレットも非常に豪華だ。撮影時の未公開写真が数多く盛り込まれ、企画の成り立ちや、瀬々監督と主演の佐藤のインタビュー、地元の方々の協力を得ることによって撮影が実現した宮城県のロケ地マップ、さらに、徹底的にリアリティにこだわった美術と装飾についての仔細な情報も掲載されている。この環境下、よくぞ本作を作り上げてくれたと改めて思わせられる充実の内容だ。
さて、本作はジャンルとして、“ヒューマン・ミステリー”だと謳っている。不可解な殺人事件の発生から物語は始まり、先述しているようにそれはミステリー仕立てで進行していく。しかしその根底にあるのは、深く、大きな、人と人との愛と絆である。誰かが誰かを想うことの尊さ、大切な人に「生きていて欲しい」という切実な願いが込められている。主演の佐藤は、この社会に生きる私たちの想いを背負うつもりで劇中で叫んだのだという。届くことのなかった声、そもそも上げることのできなかった声ーーそんな声にならない声を、彼は代弁しているのだ。この事実にエンターテインメントの力を感じる。劇場にて、名前を知らぬどころか、マスクで顔もよく見えない人々と本作を共有する重要性も感じていたが、自宅にて、私やあなただけの映画にしてもいいのではないだろうか。誰もが自分のことで精一杯な日々において、『護られなかった者たちへ』が気づかせてくれることの大きさを改めて知ることになると思う。そして、誰かのことを想うだろう。
■リリース情報
『護られなかった者たちへ』
Blu-ray&DVD発売中
【Blu-ray】
価格:7,150円(税込)
仕様:2枚組<本編DISC1枚+特典映像DISC1枚>
◆特製アウターケース、デジパック、ブックレット、キャラクターカード(初回生産限定特典)
◆本編DISC(Blu-ray):本編、特典映像(『護られなかった者たちへ』公開記念特番/特報/予告編/TVスポット)
◆特典DISC(DVD):舞台挨拶集/メイキング映像
【DVD】
価格:4,950円(税込)
仕様:1枚組
◆本編DISC(Blu-ray):本編、特典映像(『護られなかった者たちへ』公開記念特番/特報/予告編/TVスポット)
※商品の仕様および特典映像・封入物の内容は変更になる場合あり
※レンタル版の仕様はセルDVD本編DISCと同内容
【法人別オリジナル特典】
※特典の付与対象商品については各法人・ECサイトにて
◆Amazon.co.jp:ビジュアルシート
◆楽天ブックス: A4クリアファイル
◆セブンネットショッピング:非売品プレス
◆@Loppi・HMV:ポストカード
◆TSUTAYA:ポケットカレンダー
◆Co-LaVo:ブロマイド2枚組
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人ほか
原作:中山七里『護られなかった者たちへ』(NHK出版)
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫
音楽:村松崇継
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達ミスター・ムーンライト」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
企画:アミューズ
配給:松竹
制作:松竹撮影所
(c)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/mamorare/