吉岡里帆×蜷川実花監督、映画初タッグで見えた相思相愛な関係性 セクシー演技の舞台裏も

 累計発行部数1400万部を超えるCLAMPによる人気漫画が、原作の大ファンだという蜷川実花監督によって初の実写映画化。完成した映画『ホリック xxxHOLiC』には、W主演を務める神木隆之介と柴咲コウに加え、松村北斗(SixTONES)、玉城ティナ、磯村勇斗ら錚々たる顔ぶれが揃っている。そんな本作において一際目を引くのが、蜷川組初参加にして女郎蜘蛛という悪役に挑んだ吉岡里帆だ。劇中ではセクシーな衣装を身にまとい、妖艶な魅力を放っている吉岡だが、その背景には「セクシー所作指導」の先生の存在があったという。映画初タッグとなった吉岡と蜷川監督が、映画の舞台裏について語り合った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

蜷川「こういうステージをたくさん作れる映画監督になりたい」

ーー吉岡さんと蜷川監督が映画でタッグを組むのは今回が初めてですよね。

吉岡里帆(以下、吉岡):はい、映画では初です。過去にスチール撮影でご一緒したことが一度だけあったんですけど、そのときに「いつかまた仕事をしたい」と言ってくださって。

蜷川実花(以下、蜷川):吉岡里帆ちゃんのことがすごく好きなんですよ(笑)。

吉岡:そんなこと言われたら、ものすごく嬉しいじゃないですか? そのときの喜びを胸の奥に大事にしまっていたんですけど、今回本当にオファーしてくださったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。

蜷川:吉岡里帆ちゃんのことがずっと好きで、いつか一緒にやりたいなとずっと思っていて。なんでこの作品だと思ったのかは、自分でもよくわからないんだけど(笑)。

吉岡:(笑)。いや、でも嬉しかったです。実花さんが「よし、この役を吉岡里帆にやってもらおう!」って思ってくれたこと自体、私的には大ニュースというか。私自身もこの何年か悪役から離れていたので、女郎蜘蛛という役柄を含め、お話をいただけたのが嬉しかったです。

蜷川:やっぱり、世間での“吉岡里帆”のイメージって、それなりにあると思うんですよね。でも、そうじゃない里帆ちゃんも絶対にいるはずだと思っていて。前回撮影でご一緒してからも、「こういう役をやったらいいのにな」と思うことがあったんですけど、何よりも私が見てみたい欲望がすごくあって。遠くから見ていて、芯が強いことはわかっていたので、そういう部分が出たら、すごく素敵で新しい“吉岡里帆像”になるなと思ったんです。その芯の強さがなかったら、たぶん私はこんなに好きじゃないと思う(笑)。

吉岡:ありがとうございます!(笑)

蜷川:“どんぎつね”みたいなすごくかわいらしいイメージもあると思うんですけど、その里帆ちゃんが女郎蜘蛛のような役をやるのを、何しろ私自身が見たかったので。きっと、みんなも見てみたいんじゃないかなという思いもありました。ビジュアルが出たときの“吉岡祭り”もすごかったよね?

吉岡:そう、周りのみんなにもビックリされて。まず「え、出るの?」っていう(笑)。「早く観たい!」とか「蜷川さんワールドにハマっている」というような声もたくさんいただいて。反響があったのは嬉しかったですね。でも、ちょっと賭けのような部分もあったと思うんですよ。

ーー“賭け”というと?

吉岡:それこそ世に出ている私のイメージだったり、ここ最近やっているお仕事の内容だけ踏まえると、「吉岡里帆に女郎蜘蛛がやれるのか?」という声が出てもおかしくはないと思ったんです。でも、オファーしてくださったときもそうでしたが、実花さんがものすごく私のことを信じてくれているのをたくさん感じたので、私の中で奥底に閉まっていたものが、うわぁっーて溢れ出てきました(笑)。

蜷川:いろんな役があると思うんですけど、最後のシーンの里帆ちゃんの姿を見て、こういうステージをたくさん作れる映画監督になりたいなと思ったところがあって。相手役だったりヒロインのような、“誰かの付属物”ではない女性像をやっぱり私は作りたいなと、そのときにすごく思ったんですよね。もちろん、里帆ちゃんが普段やられているお仕事も素晴らしいし、そういう里帆ちゃんも大好きだけど、こうやって何かタガを外して、アクセル全開に踏み切れるような場所が、女優さんにとってやっぱりちょっと少なすぎるんじゃないかなと。そういう考えも相まって、ものすごいパワーを秘めた里帆ちゃんが、それを一気に解放して水の中を走り回る姿を見て、ちょっと感動しちゃったんですよね。だから、私はそういうステージを作り続ける映画監督でありたいなと思いました。

ーー吉岡さんが演じた女郎蜘蛛はビジュアル的にもかなりのインパクトがありますよね。聞くところによると、「セクシー所作指導」の先生がいたそうで……。

吉岡:そうそう、そうなんですよ(笑)。私も初めての経験でした。“所作指導”って言ったら、歴史ものだったり、着物やドレスを着るときに先生がついてくださるイメージだったので、最初は「“セクシー所作”って何!?」と思って、笑っちゃって(笑)。

蜷川:まぁ笑うよね(笑)。

吉岡:「セクシーな所作を教えてくれる先生が来るから」と言われて、「何ですか、それ?」って(笑)。

蜷川:(笑)。

吉岡:どんな人がいらっしゃるんだろうと思っていたら、ボンテージが似合う、お色気たっぷりの先生で。まず、それが衝撃でした。

蜷川:どこから連れてきたの?っていう(笑)。

吉岡:KUMIさんというダンサーの方なんですけど、私にとってはまったく別の世界という感じで、でもそれがめちゃくちゃ楽しかったんです。私が持っていた色気って、すごく狭い色気だったんだなって気づかされました(笑)。

蜷川:ははは(笑)。“セクシー所作指導”ってたぶん世界初なんじゃないかな(笑)。

吉岡:聞いたことないですもん(笑)。でも、もともと2次元のキャラクターを実写化するときに、そのセクシーを追求しようというのは、ウィットに富んでいるなと思いました。

関連記事