『悪女(わる)』“新旧マリリン”対決が実現! 石田ひかりを変えた今田美桜のまぶしさ

『悪女(わる)』新旧マリリン対決が実現!

 ついに、新旧マリリン対決が実現した。

 4月20日放送の『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系/以下『悪女(わる)』)第2話。人事部に異動した田中麻理鈴(今田美桜)の前に、“初代マリリン”を演じた石田ひかりが立ちはだかる。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 石田が演じる夏目課長は、30年前のドラマにも登場したキャラクターだ。平成版では、「峰岸さぁん」と峰岸佐和(倍賞美津子)に甘えていた石田が、令和版では“女王蜂症候群”に陥っているキャリアウーマンに扮する。天真爛漫な麻理鈴とは180度異なる役柄ではあるが、現・麻理鈴に、「あなたね、私の若い時に似てんのよ」と言うシーンなどメタ的要素もふんだんに詰め込まれていた。当時のドラマファンにとっても、うれしい仕掛けになったのではないだろうか。

 『悪女(わる)』では、1話ごとに社会への問題提起がなされていく。前回は、コロナ禍での働き方について。コロナ年入社組の大井美加(志田未来)の葛藤を通して、在宅勤務やリモート会議の問題点が浮かび上がった。そして、今回描かれたのは、“女王蜂症候群”に陥ったキャリアウーマンのつらさ。石田扮する夏目課長の働き方から、女性が男社会で生き抜くことの過酷さが伝わってきた。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 ちなみに、“女王蜂症候群”とは、女上司がほかの女性の活躍を不快に思い、攻撃することを指している。「私の時代は……」「いまの子たちは、甘えている!」などと部下に圧力をかけるのも、女王蜂あるある。男社会のなかを生き抜いてきた女性が、この症候群に陥りやすいと言われている。

 夏目は、まだ古い体質が残っていた株式会社「オウミ」で、男性に負けずに働いてきた。上司からの誘いは、何時であっても断らない。どれだけ帰りが遅くなっても、翌朝は誰よりもはやく出勤する。“女だから”と言われないように。“女だから”頑張らなければならないと自分を鼓舞させてきたのだ。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

「女が男と肩を並べるにはね。2倍頑張らなきゃいけないの」

 お酒を飲みながら、麻理鈴にアドバイスを送る夏目。きっと、彼女はたくさん悔しい思いを感じてきたのだろう。どれだけ頑張っても、ゆるりと働いている男性社員に先を越されてしまう。「オウミ初の女性役員は、夏目さんかな?」と期待させられるだけさせられて、何年も裏切られてきた。そうするうちに、「私は出世できる」と信じる心を失ってしまったのだ。「どうせ、また……」と諦める癖がついてしまった。

 だから、「田中、出世したいです!」と無邪気に言い切る麻理鈴の姿が、まぶしく見えたのだと思う。でも、そのまぶしさが、次第に疎ましさに変わっていく。彼女を見て、「自分もこんなふうに思えていた時代があったな」と希望に満ちていた“あの頃”を思い出してしまったのかもしれない。夏目は、麻理鈴を蹴落とすために、部外秘の資料を隠し、その罪を麻理鈴になすりつけてしまう。こんなことをしたって、気持ちが晴れるわけじゃない。社内での状況が変わるわけではないと分かっているはずなのに。

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