ラジー賞最低作品賞は『ダイアナ:ザ・ミュージカル』 ウィル・スミスは名誉挽回賞を受賞
ハリウッドで最大にして最高の栄誉にあたる映画賞といえばアカデミー賞だが、最低映画や最低俳優を選出するゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)も何かと注目を集めるイベントだ。そんな、映画の製作者や俳優にとって“ありがたくない”、第42回ラジー賞の結果が米現地時間3月26日に発表された。
最大の目玉となる最低作品賞に輝いてしまったのは、Netflix製作による『ダイアナ:ザ・ミュージカル』。1997年の交通事故で衝撃的な死を遂げた英ダイアナ妃の半生を描く本作は、ブロードウェイでの上演に先駆けて収録された作品となり、最多9部門ノミネートのうち5部門を受賞。作品賞の他には、ダイアナ妃役で主演を務めたジーナ・デ・ヴァールの最低主演女優賞、最低監督賞(クリストファー・アシュレイ)、最低助演女優賞(ジュディ・ケイ)、最低脚本賞(ジョー・ディピエトロ)にも輝いた。一方で、5部門にノミネートされたサスペンス映画『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』が受賞を免れている。
映画関係者にとってはできるだけ避けたいであろうラジー賞だが、なかには名誉なカテゴリーも設けられている。今回の授賞式では、過去に4度もラジー賞に輝いたウィル・スミスが、『ドリームプラン』の演技が認められて名誉挽回賞を受賞。ウィルが、オスカー&ラジーをW受賞する結果となった。なお名誉挽回賞では、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズで知られるジェイミー・ドーナンがアカデミー賞作品賞候補になっている『ベルファスト』で、ニコラス・ケイジが『Pig(原題)』で候補に挙がっていたとのこと。
また、今回のラジー賞では特別部門として、2021年に8本もの映画に出演したブルース・ウィリスを称える(?)ために、「2021年の出演映画におけるブルース・ウィリスの最低演技賞」が設けられたことも話題に。その結果、SFアクション映画『コズミック・シン』が受賞した。
第42回ゴールデンラズベリー賞受賞結果
最低作品賞
★『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・『インフィニット 無限の記憶』
・『Karen(原題)』
・『スペース・プレイヤーズ』
・『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』
最低主演男優賞
★レブロン・ジェームズ 『スペース・プレイヤーズ』
・スコット・イーストウッド 『Dangerous(原題)』
・ロー・ハルトランフ 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・ベン・プラット 『ディア・エヴァン・ハンセン』
・マーク・ウォールバーグ 『インフィニット 無限の記憶』
最低主演女優賞
★ジーナ・デ・ヴァール 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・エイミー・アダムス 『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』
・ミーガン・フォックス 『Midnight in the Switchgrass(原題)』
・タリン・マニング 『Karen(原題)』
・ルビー・ローズ 『ヴァンキッシュ』
最低助演男優賞
★ジャレッド・レト 『ハウス・オブ・グッチ』
・ベン・アフレック 『最後の決闘裁判』
・ニック・キャノン 『ザ・ミスフィッツ』
・メル・ギブソン 『Dangerous(原題)』
・ギャレス・キーガン 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
最低助演女優賞
★ジュディ・ケイ 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・エイミー・アダムス 『ディア・エヴァン・ハンセン』
・ソフィー・クックソン 『インフィニット 無限の記憶』
・エリン・デイヴィー 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・タリン・マニング 『Every Last One of Them(原題)』
最低監督賞
★クリストファー・アシュレイ 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・スティーヴン・チョボスキー 『ディア・エヴァン・ハンセン』
・コーク・ダニエルズ 『Karen(原題)』
・レニー・ハーリン 『ザ・ミスフィッツ』
・ジョー・ライト 『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』
最低スクリーンコンボ賞
★レブロン・ジェームズとワーナーのカートゥーンキャラクター 『スペース・プレイヤーズ』
・不器用なキャスト&ダサい歌詞(または振付)のミュージカルナンバー 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・ジャレッド・レトと17ポンド(約8キロ)のラテックス顔&悪趣味な服&馬鹿げたアクセント 『ハウス・オブ・グッチ』
・ベン・プラットと、プラットが毎日24時間歌うことが普通だと思わせる他のキャラクターたち 『ディア・エヴァン・ハンセン』
・トムとジェリー 『Tom & Jerry the Movie(原題)』
最低リメイク・パクリ・続編映画賞
★『スペース・プレイヤーズ』
・『Karen(原題)』(クルエラ・ド・ヴィルの軽率なリメイク版)
・『Tom & Jerry the Movie(原題)』
・『スティーラーズ』(『オリヴァー・ツイスト』の現代版リメイク)
・『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』(『裏窓』のパクリ)
最低脚本賞
★ジョー・ディピエトロ 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』
・コーク・ダニエルズ 『Karen(原題)』
・カート・ウィマー&ロバート・ヘンリー 『ザ・ミスフィッツ』
・ジョン・ラサール&サリー・コレット 『スティーラーズ』
・トレイシー・レッツ 『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』
名誉挽回賞
★ウィル・スミス『ドリームプラン』
2021年の出演映画におけるブルース・ウィリスの最低演技(特別部門)
★『コズミック・シン』
・『サバイバル・シティ』
・『American Siege(原題)』
・『Apex(原題)』
・『Deadlock(原題)』
・『Fortress(原題)』
・『 Midnight in the Switchgrass(原題)』
・『Out of Death(原題)』
※★が受賞者/受賞作品
参照
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/razzies-2022-winners-list-1235119040/
https://variety.com/2022/film/news/2022-razzie-awards-winners-full-list-1235215614/
https://www.latimes.com/entertainment-arts/movies/story/2022-02-07/razzies-2022-nominations-bruce-willis-diana-the-musical