『ドクターホワイト』“ラスボス”海江田役・石橋凌が圧巻 柄本佑との火花散る対決シーンも
『ドクターホワイト』(カンテレ・フジテレビ系)第9話では、白夜(浜辺美波)をめぐって将貴(柄本佑)と海江田(石橋凌)が対峙する。
高森院長(石坂浩二)の思いを知った白夜は「多くの命を救いたい」と言って、医大受験を決意する。希少血液「RH null」の保有者である白夜を海江田が狙う理由について、将貴は人身売買目的の闇ビジネスと予想。そんな最中、晴汝(岡崎紗絵)が暴漢に襲われる。駆けつけた淳平(宮田俊哉)の手でその場は助かったが、話を聞いた将貴は激怒し、海江田の元へと向かう。
ミレニアム通信の会長で、つい先日も遺伝子医療の研究施設に20億円を寄付した海江田は、医療に並々ならぬ関心を寄せる人物。将貴と海江田の対面は、手に汗握る緊迫感漂うシーンとなった。白夜を監禁し、連れ戻そうとしていることを問いただす将貴に対して、しらを切る海江田。ならばと、将貴は変化球で海江田の隠し子疑惑を追及する。海江田は「君は命が惜しくないのか」と挑発とも取れる言葉を返し、「向こう見ずな態度を見て不安になったんだ。そんなやり方では君の家族が心配だ」と揺さぶりをかける。
晴汝の病気を持ち出されると、たまりかねた将貴は「二度と晴汝に手を出すな!」と血相を変えて叫ぶ。だが海江田は動じる素振りを見せず、将貴を見据えて「これ以上私の周りを嗅ぎまわるようなら、命の保証はしない」と告げる。清濁を併せ呑むような底知れなさと、静かな中に重々しさを醸し出す石橋凌の迫力に引き込まれた。対する将貴役・柄本も鋭い言葉と視線で応戦。抜き身で斬りかかるような勢いを発する。攻守で互いの位置を入れ替えながら、火花を散らす真剣勝負の一幕だった。
進境著しい石橋静河の父としても知られる石橋凌は、近年は個性的な役柄で注目を集めている。『スモーキング』(テレビ東京)の暗殺チームの首領・左辺重蔵や、『全裸監督』(Netflix)シーズン1で山田孝之演じる村西とおるのライバルであるポセイドン企画社長の池沢を演じたことは記憶に新しい。かつて映画を中心にヤクザ役で定評があっただけに、全身からにじみ出るオーラは圧巻で、本作で白夜の秘密を握る“ラスボス”海江田として、これ以上ない人選だった。