『進撃の巨人』コニー役・下野紘の痛ましい慟哭 世界滅亡までのタイムリミットはあと僅か

 アルミンのはったりも、フロックにはすでに筒抜けだった。港一帯に3発の銃声が鳴り響くと、そこにはフロックを押さえつけるキヨミの姿が。それを合図にミカサが救援に入り、地下へと誘導する。もうこうなってしまっては、イェーガー派を殺すしか選択肢はない。そうミカサは決心するのだった。

 ミカサたちがアズマビトを地下へと誘導し終えると、ライナー・ブラウンとアニが一斉に巨人の力を解放。そこに至るまでのライナーとアニの立体機動装置の移動シーンの作画とカメラワークは美麗かつド迫力で鳥肌ものだった。WIT STUDIOからMAPPAに変わってから、立体機動装置を使用する場面は極端に少なくなってしまったが、このワンシーンにこだわりを見せていることが窺えた。そして、次々とイェーガー派を薙ぎ払っていく2人を見て、かつての敵が仲間になるとこうも頼もしいとは。「The Final Season」に入ってからというもの重くどんよりとした空気が漂っているが、戦闘シーンこそ『進撃の巨人』の真骨頂なのだと思い知らされる。

 一方、アルミンとコニー、サムエルとダズというかつての仲間が対峙する場面は切なく辛いものだった。サムエルの「俺たちは仲間じゃないのかよ」という発言に対して、「お前たちは仲間だよ」と葛藤に苛まれるコニーの表情を見ていると苦しい。誰も殺しなど望んではない。でも、誰かが自分の手を血で染めなければいけない。コニーの葛藤からは、かつてのベルトルトの言葉が頭をよぎる。残酷な現実を前にコニーはサムエルとダズを撃ち抜く。葛藤の末、手をかけたしまったコニー役の下野紘の慟哭に胸をぎゅっと締め付けられた。

 平和的な解決を望みながらも、かつての仲間を殺してしまったコニー。これが正しいのか、否かというのは誰にも分からない。だが、コニーは前に進むしかないのだ。世界滅亡までのタイムリミットは刻一刻と迫ってきている。イェーガー派を無力化し、飛行艇を奪取することはできるのだろうか。

■放送・配信情報
TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』
NHK総合にて、毎週日曜24:05〜放送
キャスト:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴ロ美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、沼倉愛美、増田俊樹、松風雅也
原作:諫山創(別冊少年マガジン/講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:岸友洋
総作画監督:新沼大祐、秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越恒
制作:MAPPA
(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式Twitter:@anime_shingeki

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