『私ときどきレッサーパンダ』に日本アニメの影響 プレミアにはビリー・アイリッシュも

 3月11日よりディズニープラスで独占配信されるディズニー&ピクサー映画『私ときどきレッサーパンダ』のワールドプレミアが3月1日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催され、キャスト・スタッフが集結した。

 エル・キャピタンシアターで開催されたプレミアイベントには、アカデミー賞短編アニメーション賞受賞歴も誇る本作の監督ドミー・シーをはじめ、主人公メイの声を演じたロザリー・チャン、母親ミン役を演じたサンドラ・オー、本作のオリジナルソング「どんな君も」をはじめ、劇中に登場する人気ボーイズグループ「4★TOWN」が歌う楽曲のすべてを兄のフィニアス・オコネルとともに手掛けたビリー・アイリッシュ、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのピート・ドクター、ディズニー&ピクサーの社長ジム・モリスらが参加。

 母親の前での“真面目で頑張り屋ないい子”と、友達の前の“好きなことに夢中な等身大の女の子”、“自分らしさ”に葛藤する主人公のメイが、ある出来事をきっかけに感情をコントロールできなくなってしまい、モフモフのレッサーパンダに変身してしまう、そんなイマジネーション溢れる物語が描かれる本作。シー監督、メイ役に大抜擢されたチャン、ミンを演じたオーらは、にこやかに写真撮影に応じた。そして、「Bad Guy」が第62回グラミー賞で年間最優秀楽曲賞に輝くなど5冠の快挙を史上最年少18歳で達成したアイリッシュも“レッサーパンダ”を彷彿とさせる帽子をかぶった姿で颯爽と登場。

 日本のアニメーションが大好きだというシー監督は、本作でもジブリなど日本アニメに大きな影響を受けているそうで、「『美少女戦士セーラームーン』は特に大きな影響を与えてくれました。パステル色の色調や、女の子たちの友情などに、それは見て取れると思います。『らんま1/2』『フルーツバスケット』も、メイがレッサーパンダへ変身するシーンにおいて、アニメーションの持つ遊び心という点で、大きなインスピレーションを与えてくれています」と明かした。そんなシー監督は、日本のアニメでは宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が好きだと話した。

 本作には、レッサーパンダになったメイや周囲の姿を通して、“自分らしさはひとつじゃない”というメッセージも込められている。シー監督は、「生きていくことって難しい、ということも受け止めてもらいたいです。“成長して大人になる”ということは、予測できないことの連続ですからね」と背中を押してくれるメッセージを優しく解説。そして、アイリッシュとフオコネルが手掛けた楽曲については、「私は二人の作る音楽の大ファンだったので、彼らがノーとは言えないような(笑)、風変わりな依頼をしました。普通こういう場合、“曲を書くのを検討してもらえませんか?”と接触するものですが、私たちは、一緒に『ボーイズ・グループ』を作り上げませんか?と彼らに話したんです」と、プロジェクトのはじまりも打ち明けた。劇中登場するボーイズ・グループ「4★TOWN」が歌いあげる「どんな君も」は、本当の自分らしさに悩むメイに対し、“どんな君でも君だよ 本当の自分を隠さないで”と、背中を押してくれる楽曲となっている。

 そして、『トイ・ストーリー』シリーズ1・2作目では原案、『トイ・ストーリー4』では製作総指揮を務め、『インサイド・ヘッド』『ソウルフル・ワールド』の監督も担っているピクサー・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーの肩書を持つドクターは、「ドミー監督の脳内は、すごく不思議で独特で、いかに素晴らしいかを目の当たりにしていて、よく知っています。この映画は、まさにそんな彼女独特の才能が反映されていて、でも同時に誰にでも訴えかける普遍的な映画にもなっています。ピクサー映画ながら、そこにひとつ捻りが利いているんですよ」と、ピクサーらしさと奇想天外さが同居している本作に太鼓判。また、会場には数々のディズニー&ピクサー作品を生み出してきたプロデューサーのリンジー・コリンズらも登場した。

■配信情報
『私ときどきレッサーパンダ』
ディズニープラスにて、3月11日(金)より見放題で独占配信開始
監督:ドミー・シー
製作:リンジー・コリンズ
日本版声優:佐竹桃華、木村佳乃ほか
日本版エンドソング:「どんな君も」Performed by Da-iCE
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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