新情報が続々明らかに ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)の今後の展開を占う

 現在、開催中の北京オリンピックで韓国のスケルトンの選手がアイアンマンのヘルメットを被ったり、アイスダンスやフィギュアスケートで『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』や『ジョーカー』の曲が使われるなど、アメコミ映画が世界中で愛されているんだと実感します。さて、愛されているといえば『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ですが、この原稿を書いている時点で興行成績全米歴代4位・全世界6位の大ヒットになっています。考えてみれば2002年のサム・ライミ監督の『スパイダーマン』が、史上初めてオープニング3日間で1億ドルを超えるという快挙を成し遂げました。当時の記事を見ると、前年の911テロで傷ついたアメリカ(NY)を癒してくれるヒーロー映画として受け入れられたのでは? との分析が多かったような気がします。今回の『ノー・ウェイ・ホーム』の大ヒットも、いま疲弊している社会にちょっとした希望を与えてくれているのかもしれません。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(c)2021 CTMG. (c)& TM 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

 さて、スパイダーマン映画を仕掛けているソニー・ピクチャーズは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは別にソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)という、スパイダーマンのコミックに登場するキャラを主役に据えた映画展開をしていきます。それが『ヴェノム』『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』であり、4月1日公開の『モービウス』です。さらに来年はアーロン・テイラー=ジョンソン出演の『クレイヴン・ザ・ハンター(原題)』も。

『モービウス』(c)2021 CTMG. (c)& TM 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

 このクレイヴンというのもスパイダーマンのコミックに登場するヴィランで、高い身体能力を持つ現代のハンター。ターザンが賞金稼ぎとか傭兵になったら……みたいなキャラです。とある理由からスパイダーマンを捕まえることに命を燃やしている男です。もともと『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のメインヴィランはクレイヴンになると言われていました。確かに前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で殺人犯のレッテルを貼られたスパイダーマンを捕まえるためクレイヴンが活躍するというストーリーは理にかなっていますよね(ちなみに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のとあるシーンで、このクレイヴンらしき影が確認できます)。しかしながらここでヴィランとして出すよりも、彼を主人公にした映画を作った方がいいだろうということで単独のソロ映画が作られるようになったみたいです。スパイダーマン抜きでどのような物語になるのか楽しみです。

 そしてこの作品に役柄未定ですが、ラッセル・クロウが参加と報じられました。ラッセル・クロウはDC映画『マン・オブ・スティール』で、スーパーマンの実の父ジョー・エルを演じていますが、MCUのソー映画第4弾『ソー:ラブ・アンド・サンダー(原題)』で神のゼウス役で登場と言われています。考えてみればアーロン・テイラー=ジョンソンもアメコミ映画『キック・アス』2作、最近では『キングスマン:ファースト・エージェント』、そしてMCU『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でクイックシルバー役を演じていました。アメコミ映画にもたくさん出ているMCU経験者が『クレイヴン・ザ・ハンター』に集結というわけです。

 クレイヴンにはカメレオンという異母弟がいます。変装の名人でスパイ。スパイダーマンが独立したコミックになった時、最初に戦ったヴィランです。このカメレオンも映画に登場すると言われており、『X-MEN:アポカリプス』でナイトクローラーを演じたコディ・スミット=マクフィー(最近では『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が有名)がこの役にオファーされたそうですが、スケジュールの関係で実現しなかった模様です。

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