永山瑛太、『ミステリと言う勿れ』で荘厳なオーラを放つ 菅田将暉との化学反応も
熊田翔(永山瑛太)の正体が明らかになり、愛珠(白石麻衣)を取り巻く事件は新たなミステリに飲み込まれていった。『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)第3話では、整(菅田将暉)がバスジャックの真相を明かし、連続殺人事件の犯人まで明らかに。しかし問題はここでは終わらない。“普通の大学生”のはずの整は引き返せないところまで来てしまったように感じた。
バスジャックにあい、犬堂家に集められた人物の中に実は犬堂兄弟の仲間がもう1人いた。整に「熊田翔」と名乗った男こそが愛珠の真の兄であり、本当の犬堂我路(永山瑛太)だったのだ。さらに、整は連続殺人犯の犯人が煙草森(森下能幸)であることも暴く。愛珠の殺人事件は苦しく胸をえぐるような結末で幕を閉じた……かのように思われたのだが、後日整の元に「我路の手」を模した煙草森の手が冷凍宅配便で届けられるという、さらにショッキングな出来事が。これは我路が愛珠への償いのために煙草森を“処分”したことを示唆していた。そして物語は大きく動く。逃亡していた我路は、愛珠が普段からバスを使うような人ではなかったことを気にかけ、やがて彼女が遺した遺書とも思えるハガキへと辿り着く。そこには「ジュート」という謎の人物の名前が記されていたのだ。
モジャモジャ頭の黒髪とサラサラのブロンド。広くもないアパートに住む普通の大学生と大きな屋敷を持つ謎多き男。正反対に見える2人だが、整と我路はいつの間にか強く惹かれあっていた。その理由として、我路は整が人の癖をいつの間にか真似てしまうことを指摘し「小さい整くんは誰の気を引きたかったんだろうね」と深く理解している様子を示し、一方の整も「我路くん、僕のことをうざいって言わない珍しい人」と呟いており、まさにこの点で整と我路は通じ合っていたのだろう。
第1話から2話までで、他者を観察しながら独自の視点で物事を解釈していくスタイルを見せてきた整。時にその言葉は事実と密接に絡み合い事件を解決へと導いてきた。同じように我路もまた、多くのことを見透かすように他者と接する。整との違いは、素直に指摘しながら紐解いていくのではなく、淡路一平(森永悠希)に隠し事を暴露させた時のように人を試したり、観察するために小細工するところだ。しかし2人は本質的な部分で共鳴しあっているように見える。整は我路がたとえ犯罪者であったとしても、“こっそり”会いたいと願っていた。そして我路もまた整のことを強く意識しているのである。