『鬼滅の刃』宇髄天元の“ド派手”な戦いを見せる圧巻の作画 お館様との美しい回想シーンも

 『鬼滅の刃』遊郭編、第8話「集結」では、宇髄天元と妓夫太郎のバトルがますます激化していく。妓夫太郎の血鎌で猛毒を食らいながらも、弱さを見せず気丈に振る舞う宇髄から、覚悟と責任感の強さが伝わってくる回だった。宇髄は妓夫太郎・堕姫兄妹の倒し方に気づき、炭治郎や伊之助、善逸とともに立ち向かう。

『鬼滅の刃』公式サイトより

 第8話で印象的だったのは、宇髄の人としての強さである。

 宇髄は、妓夫太郎の血鎌を受けてしまったため、体中に猛毒が回っているはずだった。それでも、毒は効いていないかのように敵の前では気丈に振る舞う。「自分には“才能”なんてものはない」と言いながら、悲鳴嶼行冥や時透無一郎、そして煉獄杏寿郎などの柱の仲間を思い浮かべた。そして「俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ」と叫ぶ。

 その声には救えなかった命に対する遺憾や自分の不甲斐なさが込められていて、柱としての責任感や覚悟が感じられた。なぜ宇髄はここまで強くいられるのだろうか?

 そこには忍として育った過去、「部下は駒。妻は後継を産むためなら死んでもいい」といった無機質な父や弟への反骨精神、「ありがとう。君は素晴らしい子だ」と言ってくれたお館様への感謝がある。

 アニメの中で、幼少期は白黒で描かれていたのに対し、お館様との会話は鮮やかなピンク色の桜を背景にカラーで美しく見せていた。このことから、いかに幼少期が辛い思い出だったのか、そしていかにお館様に感謝しているのかが伝わってくる。

 しかし、現実は厳しい。本人は「毒には耐性がある」と言いつつも、段々と呼吸が荒くなっている様子から、毒がしっかりと体に回っていることがわかる。だが、そこで相手に隙を与えないのが宇髄の強さ。

 一瞬で敵に近付き妓夫太郎と刀で斬り合いながら、火薬玉で攻撃を仕掛ける。1人で妓夫太郎と堕姫の2人を相手にする様子はたくましかった。そして、「同時に頸を斬る」ことが2人の倒し方だと悟った宇髄は、堕姫の頸を斬った後、刃先を手に持ち妓夫太郎の頸にも迫っていく。この様子には妓夫太郎も舌を巻いていた。

 鋭い洞察力や素早さ、相手の想像を超えた戦術など、宇髄の強さは計り知れない。後半では、妓夫太郎・堕姫兄弟が変貌を遂げる。堕姫の額に、妓夫太郎の目が開いた。これにより堕姫は三つ目の鬼となり、禍々しさが増す。

 兄弟の力は連帯し、堕姫の帯は以前よりも早いスピードで、目の前にいる伊之助と善逸、そして下にいる宇髄と炭治郎にも襲っていく。また、妓夫太郎の血鎌も、目の前にいる宇髄や炭治郎だけでなく上にいる伊之助と善逸にも迫る。

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