『カムカムエヴリバディ』に主演ドラマも 佐々木希、演技の幅を広げて役者として開花

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の大阪編に登場する佐々木希。佐々木が演じるのは芸能事務所の社長令嬢・笹川奈々で、プロダクション主催のコンテストで大月錠一郎(オダギリジョー)に興味を持つという役どころだ。また1月17日にスタートする秋元康企画・原作の『ユーチューバーに娘はやらん!』(テレビ東京系)では、ユーチューバーとテレビ局員の間で恋に揺れる主人公の平千紗を演じる。

ユーチューバーに娘はやらん!(c)テレビ東京

 多方面で活躍する佐々木だが、役者としてもコンスタントに出演を重ねてきた。2008年に女優デビューし、恋愛ものからホラーまで幅広く演じてきた佐々木だが、たぐいまれな容姿がかえって俳優としての個性を見えづらくしているかもしれない。しかし、デビュー当初こそ外見重視の配役も多かったと思われるが、着実に進化を遂げて、その才能を開花させてきた。

 映画初主演作となった『天使の恋』(2009年)。ケータイ小説原作の同作で、同姓の小澤(谷原章介)に恋する女子高生の小澤理央を演じた。谷原にエスコートされながら、喜怒哀楽の多彩な感情を画面上に散りばめた。2013年公開の『風俗行ったら人生変わったwww』で深刻な事情を抱えた風俗嬢のかよを演じた際には、笑顔と虚ろな表情のギャップを鮮明に映し出した。インターネット発の作品でヒロインを演じたことからわかるように、不特定多数にとってのアイコン的なキャラクターを背負えるのは佐々木の強みだ。

『風俗行ったら人生変わったwww』

 良い意味での“普通さ”も佐々木の持ち味である。誰もが憧れるルックスを持つ一方で、壁を感じさせない親しみやすさを兼ね備え、キャラクターを共感できる人物として体現する。共感できるというのは、観る側が自身を投影できるということ。佐々木の場合、役に憑依するというよりも、役を身近に引き寄せるような親近感を覚える。視聴者を引き込む共感力はヒールや高飛車な女を演じる時にも効果的だ。ホラー作品との相性の良さは、映画『呪怨』シリーズや『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)で証明済みである。

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