『AND JUST LIKE THAT...』は衝撃的な幕開けに キャリーたちにも変化が?

 ドラマ版から約25年 キャリー、ミランダ、シャーロットが迎える変化

 現在、キャリーはポッドキャスト番組の仕事をしている。司会者はノンバイナリーのコメディアン、チェ・ディアス(サラ・ラミレス)で、もう1人の出演者と共にきわどい話をするのだが、キャリーは下品な性表現は嫌だと言ったり、ミランダのティーンエイジャーの息子がセックスに夢中だという会話からも離脱しようとしたりするなど、セックスコラムの第一人者だった彼女の変化が少し気になった。キャリーは歳を重ねて保守的になったのだろうかという考えが一瞬頭をよぎったが、もともとキャリーは友人たちや周囲の人々のセックス事情を取材してコラムを執筆するという、あくまで物書きとしてセックスを語ってきたのであって、ポッドキャストであからさまに喋るのは性に合わないのかもしれないと思い当たった。ミランダのセリフに「ポッドキャストはムリ」というのがあり、彼女たちが簡単に新しいものを受け入れられないことが伝わってくる。しかし、第3話ではキャリーもポッドキャストの下ネタの会話に積極的に参加するようになるし、チェ・ディアスのステージ・ショーを観たミランダも大いに影響を受け、“チェンジ”を受け入れたいと思うようになる。『AJLT』では、そんなキャリーたちの前向きさが眩しく感じられる。

 また、ミランダは息子がガールフレンドと見境なくいちゃつくことにウンザリしつつも、彼女自身は若者に交じって再び大学に通い、企業弁護士から人権弁護士に転身しようと奮闘している。アフリカ系のナヤ・ウォレス教授(カレン・ピットマン)への失言を取り繕おうとして余計にドツボにハマるミランダだが、学ぶことに意欲的なミランダからは進化を感じる。シャーロットの養女と実娘もティーンエイジャーとなっており、彼女は子育てを楽しみつつセレブなママ友作りに余念がない。シャーロットの憧れのママ友は、“LTW”とイニシャルで呼んで彼女が崇拝するリサ・トッド・ウェクスリー(ニコール・アリ・パーカー)。保守的で常に社交界に憧れを持っているが、友達思いのシャーロットは『SATC』の頃とあまり変化はなさそう。しかし、白髪を染めないミランダを批判して、逆に彼女から若作りだと言われてしまうなど、年を取ることには一番抵抗感がありそうだ。第3話では、シャーロットは実娘から「自分が女の子という気がしない」と聞かされ悩むことに。保守的だった彼女が多様性をどう受け入れ、“チェンジ”していくのか楽しみだ。

 キャリーの親友で何でも話せるスタンフォードを演じてきたウィリー・ガーソンが昨年他界し、大変残念なことに彼の『AJLT』への出演は第3話までとなってしまった。アンソニー(マリオ・カントーネ)とのゲイカップルは健在で、憎まれ口を言い合う様子がほほ笑ましかったが、第4話以降はどのようにスタンフォードを描くのだろうか……。今後の展開も非常に気になる。

■配信情報
『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』
U-NEXTにて独占配信中(毎週水曜1話ずつ更新)
出演:サラ・ジェシカ・パーカー、シンシア・ニクソン、リスティン・デイビス、クリス・ノース、デヴィッド・エイゲンバーグ、エヴァン・ハンドラー、ウィリー・ガーソン、マリオ・カントーネ、ニコール・アリ・パーカー、サラ・ラミレス、キャシー・アン、アレクサ・スウィントン、ニール・カニンガム、クリー・チッキーノ、カレン・ピットマン、ボビー・リー
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