森三中 大島美幸、“お母さん”役を通して得た新たな発見 キャリアと家庭を両立するコツも
「“息子を信じる”ことを大切にしていきたい」
――大島さんご自身も息子さんがいらっしゃって、役にリンクする部分も多かったかと思います。改めて母親の立場として、全体的に作品の中で印象的だったことはありますか?
大島:全体的に、息子と“お母さん”の距離感というか。やっぱり、“お母さん”が先にやっちゃうじゃないですか。「どうせやっていないでしょう」って、最初から諦めているんですよね。それに対して「息子と本当に会話しているのかな」って疑問を抱きました。「あんなに可愛かった息子が……」って“お母さん”は言うけれど、息子は息子で「でも、俺の話なんか聞いてくれない」だし。思春期の息子とお母さんの関わり合いがすごく身近に感じられるから、きっと何年か後に自分にもこういうすれ違いが起きるだろうって想像できる。だからこそ本作の2人を通して、私は「息子を信じる」ことを大切にしていきたいと感じました。2人がゲームの世界に入って心が通じ合えて……いつもと変わらないけど、前とは違う関係になれたことがすごく微笑ましかったです。それはやっぱり、信じ合うことができたからかなと思って。同じ母親としても勉強になりました。
――逆にお子さんについて、ユウトと重ねられる部分はありますか?
大島:うちの息子は今6歳で、来年小学生になるのでユウトくんよりも歳は下で。でもユウトくんみたいにゲームがめちゃくちゃ好きですね。私は、「1日1時間でいいんじゃないかなぁ」と話しましたが、旦那が「いや、無制限でいいよ。伸ばせるところを伸ばしてあげよう」って言うんです。ダンスとか体操教室とか見に行かせても全く興味がない彼が、ゲームだけはやるというんですよ。だから、「伸ばしてあげよう」って言われて。でも、時間が無制限となったら、意外に休むんですよね(笑)、子供ってそうなんだと思って。30分とか、1時間と言われるといくらでもやりたくなるけど、逆に無制限なら自ら本当に1時間で終わりにしたり。「そうだよなぁ、集中力なんて続かないよな」って、新たな発見でもありました。
ーー興味深いですね。逆にルールがないから自分で作る、というか。
大島:そうかもしれないです! だから、旦那はもしかして息子を“信じている”のかな、なんて思ったり。それに買ってきた新作のゲームは一気にやるけど、土日とかに終わらせてダラダラあまりやらないんですよね。
――大島さんご自身はゲームとかされてきましたか?
大島:あまりやらなかったですね。だから、“お母さん”の気持ちがよくわかる。「ゲームは無駄な時間」というイメージの方が強い部分も、共感していました。「こんなことやっていても何にもならないでしょ?」って。でも、とても楽しそうに2人で協力しながらプレイしている旦那と息子を見て、それはそれですごくいい時間なのかなぁ、無駄じゃないのかなぁと最近は考えています。
――ちなみに何のゲームを一緒にプレイしているんですか?
大島:『スパイダーマン(Marvel's Spider-Man)』です。
――あれめちゃくちゃ面白いです!
大島:面白いですよね! とてもリアルで。スーツをいっぱい集めています。
――操作するスパイディが街を駆け巡る様子は、見ていて気持ちいいですよね。
大島:そうそう! 息子もすごく上手くなっていて。難しいところは旦那に助けてもらっています。逆に、そういうコミュニケーションの取り方もあるというか、子供なりに様々なパターンがあるんだなって気づけました。