『シルクロード.com』監督が制作意図を語る 「ドキュメンタリーのようなアプローチ」

 2022年1月21日公開の映画『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』より、ティラー・ラッセル監督からのコメントが到着した。

 本作は、悲哀を抱えた男の最後の大勝負を描く、驚愕の実話から生まれたサイバー・ダーク・サスペンス。2011年、検索エンジンではヒットしないダークウェブと暗号通貨“ビットコイン”というふたつの暗号化技術を用いて、違法ドラッグから武器の売買、殺人依頼まで完全匿名で取引可能にした闇サイト「シルクロード」が誕生した。“闇のAmazon”“ドラッグのeBay”とも呼ばれ1日の売上げは1億円超。警察、FBIのサイバー捜査を完璧にかわしていたが、2013年、ついに追い詰めたのはパソコンも使えないアナログ捜査官だった。

 「シルクロード」を立ち上げた天才ロス・ウルブリヒトを『ジュラシック・ワールド』のニック・ロビンソン、捜査官リック・ボーデンを『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のジェイソン・クラークが演じる。

 ラッセル監督は、Netflixのランキングでアメリカ国内1位を記録したドキュメンタリー番組『ナイト・ストーカー:シリアルキラー捜査録』など、これまで多くのドキュメンタリー作品を手掛けてきた人物。「本作の構想は、ロス・ウルブリヒトがサンフランシスコ公共図書館で逮捕された翌日から始まりました。僕はその時の記憶が未だに鮮明で、事件を報じた新聞のページの感触がまだ指の間に感じられますし、新聞の題字も覚えています」と、ロス・ウルブリヒトが逮捕されたときの衝撃をラッセル監督は振り返る。

 「この映画は、複数の相反する話によって描かれたロス・ウルブリヒトの人物描写になります。異なる情報源から生まれたロスの異なるバージョンということです。世界で一つだけの物語ですね。本作では、ボーイスカウト、夢追い人、恋人、先見の明を持つ人物、エンジニア、“秩序を壊す”自由主義者、狂信者、教祖的存在、ペテン師、変人、親玉、首謀者であるロスが見られます。本質的には、ロスはどこにでもいる人物で、周りの人々が望んでいる人物を反映する鏡でもありました」と、全米を震撼させたサイバー事件を犯したロス・ウルブリヒトの様々な面が描かれていることを明かし、「ドキュメンタリーを作るかのようなアプローチを取りました。全ての報道資料や、裁判資料、直接の情報源から追える全ての噂といった歴史アーカイブから見出せる全ての情報を掘り起こしたのです。それら全てを読み、調べ、混ぜ合わせて時間を置きました。その後、その全てを投げ捨てるのです。そして、先入観がなく、フル回転する頭で脚本へと戻りました」とコメントを寄せている。

 あわせて新たな場面写真も公開された。


■公開情報
『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』
2022年1月21日(金)より、新宿バルト9ほかにて全国公開
監督・脚本:ティラー・ラッセル
出演:ジェイソン・クラーク、ニック・ロビンソン
原案:デヴィッド・クシュナー
配給:ショウゲート
2021年/アメリカ/スコープサイズ/5.1ch/117分/原題:Silk Road
(c)2020 SILK ROAD MOVIE,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://silkroad-movie.com
公式Twitter:@silkroadcom_jp

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