2割引とはいえスーパーで一番高い2500円のお寿司を買ってくるエリコ。ストレスのはけ口を食欲にぶつけてしまっている。そして、隣から聞こえてきた「ババア」の一言に反応。意外とプレイボーイな高橋（中川大輔）の修羅場に乱入したかと思えば、阿佐ヶ谷姉妹だと持て囃され、怒鳴り込んだはずの相手にサイン、さらにはお寿司まで振る舞う始末。ミホは気持ちの乱高下の激しいエリコに不安を抱いていた。

　その心配は形となって表れてしまった。エリコが仕事中に体調を悪くしてしまったのだ。エリコピンとしての仕事は極力控えるようにして、今後はコンビとしての案件を増やしていくと大高が告げるとミホは天を仰ぎショックそうな顔を浮かべる。「ミホさんには申し訳ありませんが」という余計な一言がエリコのレーダーに触れ、大高は詰められることになるが、そこで視界に飛び込んでくるのがミホの黄色を差し色に入れた靴下。ここぞとばかりにスッと足首を上げるミホも可笑しいが、それに乗っかる大高、誤魔化されるエリコという新たな構図が誕生した瞬間だ。

　これまで事件という事件は起きずに文字通りのほほんとした日常が描かれてきた本作だが、初めてザワッとする終わり方を迎えた。エリコとミホの憩いの場だった中華料理店「朝來」に休業の張り紙が掲示されていたのだ。第6話「ベランダ、あぁ、いい響きね～」は、のほほんではない雰囲気がする。

■放送情報
よるドラ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜23:15放送（全7回）
原作：阿佐ヶ谷姉妹著『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
脚本：ふじきみつ彦
音楽：髙城晶平（cero）・王舟
出演：木村多江、安藤玉恵、いしのようこ、中川大輔、楠見薫、山脇辰哉、宇崎竜童、研ナオコほか
制作統括：三鬼一希、櫻井壮一
演出：津田温子、堀内裕介、新田真三、佐藤譲
写真提供＝NHK