『恋慕』フィに対するジウンの愛情深さを痛感 見守りたい“2番手”イ・ヒョンの想い

 どうしてラブストーリーには恋の“2番手”が必須なのだろう。イ・ヒョン(ナム・ユンス)を見ているとそう思ってしまう。フィの正体を知っていたことを打ち明けた今でも、その手に触れようとはせず一線を引いて守り続けているヒョン。自分の行動がフィの命を脅かしかねないからだ。一方、ジウンは今までフィの隣にいることでフィを守ってきた。確かに二人は何度も危機に襲われてきたが、気持ちのまま動くジウンはいつもフィのピンチを救い、時には突破口を見つけることもあった。自分の気持ちよりも好きな人の生きる道を守る愛と、危険を共にしても好きな人をそばで守る愛。フィが誰と一緒にいることを選択するかはまだわからないけれど、最後までヒョンの思いをしっかりと見届けていきたい。

 そんなジウンとフィの関係を、ジウンの父でギジェの家臣であるチョン・ソクチョ(ペ・スビン)に知られてしまった。以前よりフィの正体を怪しんではいたが、二人が恋い慕う仲であることを目撃してしまったのだ。ここから気になるのは、ソクチョはどちら側につくのかということ。つまり、ギジェ側につけばフィとジウンの命はないが、ソクチョが我が子の命を差し出すとも思えない。ソクチョは、これまでもフィを守るために危険を犯すジウンのことを何度も見逃し、今回もフィのそばにジウンを置いてもらうようギジェに申し出てくれた。ジウンがフィに近づくことを止めるのは、父親としての思いがあってからだろう。ソクチョが「何かを選んだことは一度もない。ただ与えられた道を歩んできただけ」と呟いた言葉の裏に、ギジェの命令でタミの親友や本物のフィも容赦無く始末した姿が浮かぶ。振り返れば、自分のようになってほしくないとジウンを案ずる親心が所々に描かれていた。ただ、フィの正体がわかった以上、何も手を打たないということはないはずだ。ソクチョの選択が、結果としてジウンとフィの味方になってくれるよう願いを託したい。

 さて、第15話はフィの護衛キム・ガオン(チェ・ビョンチャン)が戻ってくる。父親を見殺しにしたと思っていた王の本音を聞いたガオンは、この先フィを守ってくれるのではないだろうか。なぜなら、ガオンの父と誓った「新たな世を築く」という王の思いがフィにも受け継がれていたからだ。フィはギジェに操り人形になっていると見せかけて、裏ではギジェの悪事を暴く証拠を集めていた。大切な人たちのため、国のために危険な橋を渡るフィに一人でも多くの味方がいてほしい。

■配信情報
『恋慕』
Netflixにて独占配信中
出演:パク・ウンビン、キム・ロウン、ナム・ユンス、チェ・ビョンチャン、ペ・ユンギョン、チョン・チェヨン
原作:漫画『恋慕』イ・ソヨン作
演出:ソン・ヒョンウク、イ・ヒョンソク
脚本 :ハン・ヒジョン
製作:モンスターユニオン、イヤギサニャンクン
写真はKBS公式サイトより

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