天才ジェームズ・ワンの元気が出る映画 『マリグナント 狂暴な悪夢』はまさに全部乗せ

 そんなワン兄さんが、イケイケの残虐描写を引っさげてやってきたのだ。面白いに決まっている。『ソウ』シリーズで既に完成されていたサプライズ展開に、『死霊館』シリーズで培った静かな恐怖演出、『アクアマン』のアクションに、全面解禁された残虐描写と、これまでのワン兄さんの映画人生の総決算と言ってもいい、まさに全部乗せだ。それでいて決してトッ散らからず、いつも通りテンポは非常に良く、「売れる売れない関係なく、俺がどうしても作りたかった」的な印象にもならず、あくまでエンタメとして観客を楽しませることに全力を注いでいる。ものすごく変な映画なのに、ちゃんと破綻なく見せ切ってしまうバランス感覚は、ちょっと異常とすら言っていい。

 本作は18禁である。残虐なシーンもたくさんあるし、苦手な人もいるだろう。しかし、もしも貴方が18歳以上で、ホラー映画に抵抗がないのなら、この映画は是非とも劇場で観てほしい。ジェームズ・ワンという男の才能を存分に味わえるはずだ。いやね、こんなもんをサクっと作られたら、そりゃ天才としか言えませんわ。

■公開情報
『マリグナント 狂暴な悪夢』
全国公開中
製作・監督・原案:ジェームズ・ワン
出演:アナベル・ウォーリス
配給:ワーナー・ブラザース映画
原題:Malignant/R18+
(c)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
公式サイト:malignant.jp

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