リナ・クードリ、ドニ・ラヴァンも出演 『GAGARINE/ガガーリン』2022年2月公開

 第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション初監督作部門に選出され、第93回アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考まで残った『Gagarine(原題)』が、『GAGARINE/ガガーリン』の邦題で2022年2月25日に日本公開されることが決定した。

 本作が長編デビューとなるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組が監督を務めた本作は、フランス・パリ郊外を舞台にした青春映画。舞台は、フランス・パリ郊外に実在する、「地球は青かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンに由来する名前を持つガガーリン公営住宅。16歳のユーリ(アルセニ・バティリ)は、この赤レンガの大規模な団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見ながら、かつて自分を置いていった母の帰りを信じて待ち続けていた。そんな中、2024年パリ五輪開催のため老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友人のフサーム(ジャミル・マクレイヴン)とディアナ(リナ・クードリ)と一緒に取り壊しを阻止するために動き出す。

 監督は「ガガーリン団地は貧しい人々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を『Film du banilieue(郊外の映画)』と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように言う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」とコメント。団地が建設された1960年代当時の時代背景やそのインパクトのある外観、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンから名づけられていることに興味を持ったことが、本作を制作するに至った経緯だと語る。

 また、「団地に住む子供たちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と言い、特定の地域に住む子供たちについてステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いた彼らは、解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行った。

 本作で見出され、主演を務めたアルセニ・バティリは、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭にて主演男優賞を受賞。そのほかキャストには、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などのリナ・クードリ、『汚れた血』などレオス・カラックス作品の常連であるドニ・ラヴァンらが名を連ねる。

 あわせて、ガガーリン団地の屋上の上で、夜空を見上げながらお互いの気持ちを明かす主人公ユーリと仲間との青春の1シーンを切り取った場面写真も公開された。

■公開情報
『GAGARINE/ガガーリン』
2022年2月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督:ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ
出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァンほか
配給:ツイン
2020/フランス/95分/カラー/シネスコ/5.1ch/フランス語/原題:Gagarine/映倫G
(c)2020 Haut et Court – France 3 CINEMA
公式サイト:gagarine-japan.com

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