『カムカムエヴリバディ』村上虹郎の“勇ちゃん”にもどうか希望を 次男がゆえの葛藤
「今年ゃあ最後の夏なんじゃ。諦めん。甲子園も、あんこも」
そう稔に宣言していた勇だったが、物分かりのいい彼は兄と安子がどれだけ思いあっているか、そして自分が安子にとっても、雉真家においても蚊帳の外であることを痛感していた。だからこその「わしにゃあ野球しかなかった。兄さんに勝てるとしたら野球しか」という本心からのセリフ。安子が励ますのは稔を通じて見える勇の信念の強さであり、勇が欲しかったのは安子自身からの言葉のはずだ。勇の「なんでおめぇはそねん……」に続くのは、きっと「鈍感」「分からない」といった類のワードであろう。あらゆる恋愛表現がより一層タブーとなっていく戦時下、勇が安子を抱きしめたのは、自身の思いを気づかせるために取った思い切った行動だった。
第3週「1942-1943」では、太平洋戦争が勃発し、日本の戦況が悪化。互いを思い続ける安子と稔だったが、千吉(段田安則)は跡取りの稔と銀行の頭取の娘との見合い話を進めていく。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK