『エターナルズ』マッカリ役、ローレン・リドロフの影響で手話を習う人が250%増加?

 現在公開中の映画『エターナルズ』の影響で、手話を習いたい人が増え始めているそうだ。

 マーベル・スタジオの新作映画である本作は、公開週末に約1億6100万ドルの興収を記録。アンジェリーナ・ジョリー、ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、クメイル・ナンジアニ、ブライアン・タイリー・ヘンリー、サルマ・ハエック、バリー・コーガン、マ・ドンソク、リア・マクヒュー、キット・ハリントンが出演するなか、注目を浴びているのが『ウォーキング・デッド』への出演でも知られるローレン・リドロフだ。

 生まれたときから耳が不自由な彼女は、MCU初の聴覚障害者のスーパーヒーロー・マッカリを演じ、劇中でも仲間とのコミュニケーションに手話を使っていた。

 ビデオチャットを介した学生と家庭教師を繋ぐオンラインプラットフォーム・Preplyの調査によると、クロエ・ジャオ監督による本作の影響で「初心者向けの手話を学ぶ(learn sign language forbeginners)の検索数が250%も増加したとのこと。ちなみにリドロフ自身の検索数は11月1日以降、世界中で550%増加しており、「初の聴覚障害者のスーパーヒーロー(first deaf superhero)」の検索数は2020年11月以降の2倍の数字になっているという。

 彼女は同じく聴覚障害者であり、詩人でビジュアルストーリーテラーとしても活動するダグラス・リドロフと結婚しており、彼は『エターナルズ』のプレスツアーにも参加していた。また、彼は近年ではジョン・クラシンスキー監督の『クワイエット・プレイス』にASLコーチとして参加したことでも知られ、二人の間には9歳と7歳の子供がいる。

 リドロフは『愛は静けさの中に』のブロードウェイリバイバル上映で脚光を浴び、同作でトニー賞演劇主演女優賞を含むいくつかの賞にノミネートされた。『エターナルズ』で自身の果たした役割が何を意味するかについて、彼女はニューヨークタイムズ誌に以下のように語っている。

「同じように聴覚障害を持つ私の二人の息子にとって、彼らが成長する世界に聴覚障害者のスーパーヒーローがいるということ。それは、彼らがもう少し大きな夢を見られることに繋がります」

 作品に関しては賛否両論が分かれているが、リドロフ含め未だかつてない多様なキャラクターと思想が描かれていることで高く評価されている『エターナルズ』。今後もその影響は広がっていくだろう。

■公開情報
『エターナルズ』
全国公開中
監督:クロエ・ジャオ
出演:ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、アンジェリーナ・ジョリー、サルマ・ハエック、マ・ドンソク、キット・ハリントン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2021

関連記事