『カムカムエヴリバディ』松村北斗が王子様すぎる 安子に芽生えた甘い夢
帰り道、稔に会えなかった安子は何かを思いついて本屋に立ち寄った。お目当ては、英語コーナー。わかる、気になる人に会えない時、その人と共有できるものに触れることで、元気になる気持ち。わかりみが過ぎる。しかもそこには、会いたかった稔もいた。これぞまさに、棚からぼた餅。安子に言わせれば、棚からおはぎだ。
ラジオから聞こえた英語の意味はさっぱりでも、「音楽を聞くみたいで、素敵な調べですね」と楽しそうにする安子に稔も関心を抱き始める。自転車に乗れない彼女に「教えてあげようか」なんて、優しく声をかけた。
次の日、自転者の練習に付き合ってもらったあと、喫茶店デートをする安子と稔。とんとん拍子すぎて良い感じだけど、ここでもさらりと稔と安子の格差が描かれる。弟に邪魔されるから、ここでよく勉強したと何の気なしに話す稔。しかし、この時代にそういった洋的なものは現在と比べたら絶対高価なもので、しかもレコードが聴ける喫茶なんて結構良いお店のはずなのだ。実際、14歳という年齢をさておいても安子はコーヒーを飲んだことがなかった。そんな喫茶を現代のスタバよろしく使う、稔。コーヒーの飲み方ひとつとっても、すぐに口をつけた安子に対し、彼は匂いをかいで堪能していた。
しかし、そんな2人の格差なんてこの際、どうだって良い。良い雰囲気の喫茶店でルイ・アームストロングの名曲「On the Sunny Side of the Street」が流れるなかで、稔がいれた角砂糖のようにささやかな甘い夢が、安子の胸にすでに芽生え始めていたのだから。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK