上白石萌音は朝ドラ主演にふさわしい ナチュラルな芝居からみえる技量

 多彩な役になりきる上白石だが、ベースにあるのは奇をてらわないオーセンティックな魅力だ。それは彼女の歌にも表れている。透明感と柔らかさを備えた伸びやかな声は、さまざまなタイプの楽曲を受け入れる。70年代から90年代の楽曲を収録したカバーアルバム『あの歌1・2』ではシンプルに曲の良さを引き出す歌唱に徹しているが、よく聴くと微妙にさじ加減を変えていることがわかる。このことは上白石の演技にも通じる。相手や作品に応じて異なる引き出しを開けているのは前述の通りだが、その佇まいはナチュラルそのもの。たしかな技量に支えられた上白石ならではの個性だろう。

 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)では、薩摩出身の天璋院(篤君)として鹿児島弁も披露した一方、天真爛漫かつ権謀術数をめぐらす複雑な人物像を体現し、新たな一面をのぞかせた。『カムカムエヴリバディ』の安子を「生きることそのものがドラマ」(『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ Part1』より)と語る上白石は、朝ドラという舞台でどんな顔を見せてくれるだろうか?

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
11月1日(月)放送開始
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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