日曜劇場からハリウッド映画まで“世界のバイプレーヤー”に 國村隼の脅威の来歴とその魅力

 結局のところ、國村さんの活躍は「来るものは拒まず」の精神が強いのだと思う。普通の人間は、慣れない環境に飛び込むことを恐れるし、歳を取るほどに守りに入るものだ。しかし、國村さんは変化を全く恐れていないし、面白そうな現場には躊躇なく突っ込んでいく。「明日、香港に来れる?」「韓国に来て、山で全裸になってもらえますか?」。こうした無茶ぶりに対して、サラっと答えてしまうのが國村さんの強さだ。私は、國村さんがMCUに入っていてもおかしくないと思う。そして、それが主役であっても、ヴィランであっても、近所のおじさんであっても、たぶんハマってしまうはずだ。國村包囲網が、さらに国際的なものになっていくことは間違いないだろう。

 それではこのコラムの最後は、『哭声』についての國村さんのコメントで終わりにしたい。オファーを受けて台本を読んだ時は、あまりにも無茶な役に受けるかどうか悩んだそうだ。しかしホンジン監督の過去作を観るうちに、彼の才能を確信。そしてこんなふうに考えて、出演を快諾したのだという。

「もし、自分が尻込みしてやめておいて、誰かがやったのを見たら『しもた!』と思うやろうなって」(キネマ旬報2017年3月下旬号より)

■放送情報
日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:小栗旬、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、高橋努、浜田学、河井青葉、六角慎司、山岸門人、竹井亮介、高野ゆらこ、与田祐希(乃木坂46)、國村隼、小林隆、伊集院光、風吹ジュン、比嘉愛未、宮崎美子、吉田鋼太郎(特別出演)、杉本哲太、風間杜夫、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之
ナレーション:ホラン千秋
原作:小松左京『日本沈没』
脚本:橋本裕志
プロデュース:東仲恵吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/nihon_chinbotsu_tbs/
公式Twitter:@NCkibou_tbs
公式Instagram:nckibou_tbs

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