そして、その言葉たちは潔の背負い込んでいる罪悪感や責任を解放する力も持ち合わせていた。演説の冒頭で、阿瀬の「友達」という箇所を「かけがえのない親友」に訂正する潔。彼女の素直になれない性格を上手く表現した展開であり、もう2人の間にわだかまりは存在しない。その証と言えるのが、潔が阿瀬に抱きつくシーンだ。潔癖症の潔が汗っかきの阿瀬に、である。それは感謝と友情の印。その後、トイレで徹底的に腕まで洗っていたのは言うまでもないが、阿瀬に抱きつく潔には笑顔が浮かんでいた。

　第6話からは、さらなる新キャラクターの成瀬詩守斗（城田優）が登場する。新しく只野たちのクラスに転校してくる、超絶ナルシスト系男子である。また、只野、古見、万場木（吉川愛）を巡る恋愛要素も始動。ナンパされる万場木を只野が「彼氏」と言って救出。その一部始終を古見が目撃していたという展開だ。予告で「只野くんの優しさが、私の心にあって」と電話越しに只野へと伝える古見。只野は古見にとっての初めての友達であるが、その関係は恋人へと発展していくのだろうか。

■放送情報
『古見さんは、コミュ症です。』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜23:15放送（全8回）
出演：増田貴久、池田エライザ、吉川愛、ゆうたろう、溝端淳平、筧美和子、大西礼芳、城田優ほか
語り：高橋克実
原作：オダトモヒト
脚本：水橋文美江
音楽：瀬川英史
主題歌：aiko
制作統括：樋口俊一（NHK）、高城朝子（テレビマンユニオン）
プロデューサー：大沼宏行（テレビマンユニオン）
演出 ：岡下慶仁（テレビマンユニオン）、石井永二（テレビマンユニオン）
総合演出：瑠東東一郎（メディアプルポ）
写真提供＝NHK