『ザ・ボーイズ』スピンオフ製作が正式決定 「現行の作品とは全く異なるものになる」

 Amazon Prime Videoで配信されている人気ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』のスピンオフ作品の製作が正式に決定した。

 『ザ・ボーイズ』は、ガース・エニスによる同名コミックをドラマ化した、スーパーヒーロー集団“ザ・セブン”と、彼らに立ち向かう“ザ・ボーイズ”の戦いを描いたドラマ。2021年のプライムタイム・エミー賞では、ドラマ作品賞(Outstanding Drama Series)にノミネートされた。

 スピンオフは、“ヴォート社”によって経営されるスーパーヒーローのための大学を舞台に、そこに通うヒーローたちが契約を得るために競い合う様子を描いた作品とされており、その後、リゼ・ブロードウェイ、ジャズ・シンクレアの出演が発表され(参照:『ザ・ボーイズ』スピンオフは学園モノ リゼ・ブロードウェイ×ジャズ・ シンクレアが抜擢)、『X-MEN』のパロディチーム“G-MEN”からインスパイアされた作品となることが明らかに。

 今回の発表では、ショーランナーとして務める予定であったクレイグ・ローゼンバーグが、“方向性の相違”により降板したため、『エージェント・カーター』でともにショーランナーを務めたミシェル・ファゼカスとタラ・バターズが新たに就任することも決定。

 『ザ・ボーイズ』のクリエイターであるエリック・クリプキは、以下のように声明を発表した。

「『モーク・アンド・ミンディ』が『ハッピーデイズ』からスピンオフしたように、このスピンオフ作品はヴォートシネマティックユニバースの中に存在しながらも、独自の作風とスタイルをもっています。この作品は、魅力的かつ複雑で、時に致命的な若い“スープ”(スーパーヒーロー)のアンサンブルによる学園ストーリーです。ミシェルとタラは冷徹な天才で、彼らが指揮を取ってくれることに興奮していますし、この機会を与えてくれたソニーとアマゾンに感謝しています。この作品が大好きなので、早く皆さんに見ていただきたいです。あと、『ベイウォッチ』からスピンオフした『ベイウォッチナイツ』にはヴァンパイアが登場したようにね。ヴァンパイア!」

 クリプキの発表によると、『ザ・ボーイズ』のスピンオフ作品は、同じユニバースに存在するにもかかわらず、現行の作品とは全く異なるものになるとのこと。大学を舞台にした物語は、『アニマル・ハウス』のような学園映画をスーパーヒーローもので描くような、非常に異なるタイプの作品になる可能性がある。ただ、これまで『ハンガー・ゲーム』のような作風だといわれてきた『ザ・ボーイズ』であるだけに、今回もおそらくファンの期待に応えるべく、バイオレンスとグロ描写をふんだんに盛り込んだ作品になるだろう。

 『ザ・ボーイズ』はシーズン3の撮影を終え、プレミア上映日が2022年予定のため、スピンオフ作品が登場するのは2022年後半から2023年になる可能性が高いとされている。

 今回の『ザ・ボーイズ』のスピンオフの動きは、ディズニープラスが『スター・ウォーズ』シリーズで、『マンダロリアン』『ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット(原題)』やアソーカ・タノの単独シリーズを作るのと同様の動きを彷彿とさせる。

 アマゾンは『ザ・ボーイズ』と今回のスピンオフ作品が将来的につながり、クロスオーバーするための基盤をつくっているとも言え、スピンオフに登場するスーパーヒーローたちは、卒業後『ザ・ボーイズ』の“ザ・セブン”のメンバーになる可能性があるのではないかとファンの間では噂されている。今後、さらに「ヴォートシネマティックユニバース」は拡大を続けるのかもしれない。

参考記事

The Boys Spinoff Show Confirmed By Amazon & Gets New Showrunners|SCREENRANT

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