小野田寛郎が命の危険に晒される『ONODA 一万夜を越えて』特報映像 著名人コメントも

 10月8日公開の映画『ONODA 一万夜を越えて』の特報映像が公開された。

 本作は、第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門のオープニング作品として上映された人間ドラマ。太平洋戦争後、約30年目に生還した小野田旧陸軍少尉が、ジャングルでの壮絶なドラマと孤独に打ち勝つ姿を描く。W主演の遠藤雄弥が小野田の青年期を、津田寛治が小野田の成年期をそれぞれ演じ分ける。

 実在の人物である小野田寛郎旧陸軍少尉は、太平洋戦争の終わりを迎えた後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて孤独な日々を過ごし、約30年後の1974年、自身が51歳で日本に帰還した。長編デビュー作『汚れたダイヤモンド』でフランス批評家協会賞・新人監督賞のほか数々の賞を受賞した監督、アルチュール・アラリが全編日本語での演出にこだわり作り上げた。

『ONODA 一万夜を越えて』特報映像

 公開された特報映像では、約30年前、1944年に若干22歳にしてルバング島に着任し秘密戦の実行の命を受けた遠藤演じる小野田寛郎が、日々晒される命の危険と友の死に傷つき、精神を蝕まれながらも、「玉砕は一切まかりならん」という上司の命令を守り続けた日々が垣間見える映像となっている。

 また、本作を観た各界の著名人からのコメントも到着した。

コメント

鎌田實(医師・作家)

「必ず生き延びろ」という絶対命令。
小野田の生きぬく力がすごい。
どんな世界でも成功した男だ。
戦争はNoと思わせる痛み、孤独、不安の見事な映像。
必見!

茂木健一郎(脳科学者)

かくも長き時間、自らの「使命」と「運命」に誠実に向き合おうとした姿勢に震撼し、心を打たれる。小野田さんの「一万夜」を照らしていたのは、人間の「魂」の放つ光だった。

サエキけんぞう(作詞家、アーティスト)

自分はこんな生活ができるのか?知り得ない究極の状況と感情、誰もが覗き見たかった
ジャングルを息遣いまで体感できる。日本の起こした戦争、歴史の闇を照らし出す素晴
らしい映像がフランス人監督であることが驚き!

清水崇(映画監督)

若い魂を縛り付けた戦争という名の洗脳。
その類稀なる屈強な精神を問い続けられる3時間。
しかし本作の鑑賞を経て想わされるのは、
小野田さんや仲間の生きた途方もない30年…実に約1460倍の時間。
そんな日本人の精神の記憶と歴史を描いてくれた、
フランスの監督に感謝したい。

名越康文(精神科医)

この映像は歴史的快挙と言わざるを得ない。
すべての人間の悲劇、戦争の無意味さ虚しさを超えて、私はこの男に深い敬意を抱く。
そして、目前に大自然があるにも関わらず、戦争に没入するしかない近代人の「脳優位」の狂気に、心底哀しみを感じる。

リベラシオン(フランス老舗新聞)

フィリピンの孤島で第二次世界大戦を30年間戦い続けた日本人を主題にした本作はアルチュール・アラリの長編第二作である。平和も死も受け入れられなかった男の物語を美しく描き出している。

カイエ・デュ・シネマ(フランスの映画批評誌)

古典映画を再解釈した形式主義的演出。作品は瞑想にも似た独自のテンポを見出していく。

■公開情報
『ONODA 一万夜を越えて』
10月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開
出演:遠藤雄弥、津田寛治、仲野太賀、松浦祐也、千葉哲也、カトウシンスケ、井之脇海、足立智充、吉岡睦雄、嶋田久作、伊島空、森岡龍、諏訪敦彦、イッセー尾形
監督:アルチュール・アラリ
制作:bathysphere productions
配給:エレファントハウス
(c)bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinema
公式サイト:https://onoda-movie.com

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