『鬼滅の刃』無限列車編が地上波初放送 煉獄さん、猗窩座、魘夢を具現化した声優陣の輝き

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が9月25日の21時より、フジテレビ系土曜プレミアムにて地上波初放送となる。

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は2020年10月に公開され、わずか3日間で興行収入46億円を達成。2001年公開の『千と千尋の神隠し』を抜いて歴代興収1位となってからも観客動員数を伸ばし、今年5月には国内史上初の400億円を突破した。そんな異例のロングランヒットを記録した本作が全編完全ノーカットでの放送、さらにTVアニメ『鬼滅の刃』遊郭編の新情報と新キャストが発表されるとあって世間の注目を一身に集めている。今回は放送を前に、特に注目してほしいキャラクターと声優陣の魅力を語りたい。

 まず予備知識ゼロで鑑賞する方へ簡単に説明すると、『鬼滅の刃』は家族を鬼に殺された主人公・炭治郎が鬼になった妹・禰豆子を人間に戻すため、“鬼殺隊”へ入隊するところから始まる。鬼殺隊は文字通り、人間を捕食する鬼を殲滅するために作られた組織で、最も位の高い9人の剣士は“柱”と呼ばれていた。

煉󠄁獄杏寿郎/日野聡

 無限列車編で登場するのはその一人、“炎柱”の煉󠄁獄杏寿郎だ。炭治郎と禰豆子、そして同期の善逸と伊之助は、短期間のうちに40人以上が行方不明となっている無限列車で先に任務についていた杏寿郎と合流。彼らは共に無限列車の中で鬼に立ち向かうことになるのだが、その中で炎のように燃えたぎる杏寿郎の生き様が炭治郎たちに大きな影響を与えていく。

 『鬼滅の刃』公式ファンブックで「鍛え上げた肉体と精神力は柱の中でも上位を誇る」と説明されているように、カリスマ性があり20歳とは思えない威厳に満ちた杏寿郎。“理想の上司”としてその名が挙げられることも多い煉獄は「だから柱である俺がきた!」という名言とともに現れて、颯爽と鬼を倒し人々に安心感をもたらす。ただ規律を重んじるあまり、普段はちょっと変わり者だ。そんな杏寿郎の厳しさと柔らかさの両方を声優・日野聡は表現している。剣士としての圧倒的な強さと面倒見の良い人としての優しさが、日野の落ち着いた声から伝わってくるはずだ。ufotableが手がける映像美はもちろんのこと、日野の好演なくして劇場版の大ヒットはあり得なかった。実質、本作の主人公とも言える日野演じる杏寿郎の剣さばきや次々と飛び出す名言に注目してほしい。

魘夢/平川大輔

 また炭治郎たちが今回立ち向かうのは、“鬼の始祖”鬼舞辻󠄀無惨に仕える魘夢。彼は無惨が自ら選別した十二鬼月の一人で、「下弦の壱」の数字を与えられた。9月23日に放送された『鬼滅の刃』の特別編集版第五夜「柱合会議・蝶屋敷編」では、無惨が下弦の鬼を次々と粛清するシーンが“パワハラ会議”と話題となったが、魘夢はその中で唯一生き残る。他の鬼たちが命乞いする中、恐怖心を持たない魘夢は無惨に身を委ね、逆に気に入られるのだ。無惨から血を分け与えられたことで、さらなる強さを経て炭治郎たちの前に立ちはだかる。

 中性的な見た目とどこか妖艶な雰囲気を持ち、『鬼滅の刃』に登場する鬼の中でも高い人気を誇る魘夢。演じているのは、『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』花京院典明役や『Free!』竜ヶ崎怜役で知られる平川大輔だ。ゆったりとした口調の中に色気と狂気をはらんだ声が、人々を夢の世界に導き、精神の核を破壊して確実に殺める魘夢のサディスティックな一面を際立たせていた。

関連記事