犬童一心監督が田中泯の2年間を追う 『名付けようのない踊り』2022年公開決定

 犬童一心監督作『名付けようのない踊り』が2022年に全国公開されることが決定。また、第26回釜山国際映画祭ワイドアングル:ドキュメンタリー・コンペ部門に正式出品されることも決定した。

 本作は、『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『のぼうの城』などで知られる犬童監督が、世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追ったドキュメンタリー映画。田中のほか、石原淋、中村達也、大友良英、ライコー・フェリックス、松岡正剛が登場する。

 1978年にパリデビューを果たし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現、そのダンス歴は現在までに3000回を超える田中。そんな独自の存在であり続ける田中
を、『メゾン・ド・ヒミコ』への出演オファーをきっかけに親交を重ねてきた犬童監督が、2017年8月から2019年11月まで、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら撮影。この間に田中は72歳から74歳になり、5カ国、48カ所で90の踊りを披露。その一部を切り取った。

 釜山国際映画祭ワイドアング:ドキュメンタリー・コンペ部門では、世界中から寄せられた応募作の中から、10作品のみが出品され、本作が唯一の日本映画となる。なお、犬童監督の作品が釜山国際映画祭にて上映されるのは、『メゾン・ド・ヒミコ』『グーグーだって猫である』に続き3度目となる。

 田中と犬童監督からはそれぞれコメントが寄せられている。

コメント

田中泯

初めての映画出演が57歳。『たそがれ清兵衛』という侍映画で、時代に翻弄された剣豪の侍を演じました。その後に『メゾン・ド・ヒミコ』という映画でトランスジェンダーのヒミコ役を僕に要求してきたのが犬童一心監督でした。以来、犬童監督は僕の踊りをとにかくたくさん見続けてくれた観客の一人でありました。さて……僕は一人のダンサーです。僕を知る人は映画の中の俳優の田中泯を知っている人が大多数かと思います。でも僕は踊りに心の底から惚れたダンサーです。戦後の日本が、いや世界中が変わろうとしていた60年代から僕なりに続けてきたわがままな表現が、カラダだけで存在を表わすダンスでした。こんな形で僕の人生の大事な一部分が映画になっていることを、今の僕にはどこか恥ずかしく嬉しい気持ちがしています。犬童監督の作品として多くの人にダンサーの生きる一例を見てもらえると嬉しいかな……と思います!

犬童一心監督

『名付けようのない踊り』が釜山国際映画祭で上映される日をずっと心に描いていたので、本当に嬉しいです。
私の作品『ジョゼと虎と魚たち』を発見してくれて、それ以来ずっと支えてくれた韓国の皆さんが、この映画の最初の観客であることもとても自然に感じました。田中泯さんの胸騒ぎに満ちた日々、圧巻のダンスをスクリーンで是非堪能してください。
この作品のじっくりゆっくり静かな時間の流れを思う存分味わってください。

■公開情報
『名付けようのない踊り』
2022年全国ロードショー
出演:田中泯、石原淋、中村達也、大友良英、ライコー・フェリックス、松岡正剛
脚本・監督:犬童一心
プロデューサー:江川智、犬童みのり
アニメーション:山村浩二
音楽:上野耕路
配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:スカイドラム
製作:「名付けようのない踊り」製作委員会
(c)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

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