『ヒロアカ』爆豪勝己は天才なのに不器用? ファンから絶大な支持集める理由

 国内外で高い人気を誇るアニメ『僕のヒーローアカデミア』。同作に登場する数多のキャラクターの中でも、常に人気1位、2位を争っているのが爆豪勝己だ。

 爆豪は主人公・緑谷出久の幼なじみ。デクから「かっちゃん」と呼ばれている、ベージュのツンツンヘアと赤い三白眼が特徴だ。爆豪の個性は、手の汗腺からニトロのような汗を出して爆発させることができる「爆破」。その強力な個性を使って、これまで様々な活躍を見せてきた。そして、その個性がごとく、感情も爆発的。いわゆる猪突猛進で、考える前に感情のままに行動してしまうタイプだ。エンデヴァー事務所でインターンをしている最中に起こった数々のトラブルに対しても、言うより早く動いている場面が多々見られたはずだ。

 そんな爆豪はパーフェクトな天才だといえる。運動神経も戦闘センスもあるポテンシャルの高さに加え、知力も兼ね備えているため、自分の個性を上手く使いこなしながら肉弾戦でも頭脳戦でも成果をあげてきている。さらに、文化祭では抜群のドラムスキルを見せつけるなど、何でもできてしまうのだ。

 しかしその荒っぽく、勝ち気な性格ゆえに爆豪は下に見られることをすこぶる嫌う。デクに対してキツくあたっているのも、成長して強くなっていくことを認めたくないが故だ。こうした行動の根幹にあるのは「弱さを見せたくない」という思いだ。何でもできてしまう完璧主義のため、自分ができない姿を見せたくないのだろう。だが雄英高校に入学以降、優秀なヒーロー志望に囲まれることとなり、今までのように易易と1位にはなれない状況になった。その焦りを隠すために粗暴になっていっていたのではないだろうか。だが、面白いのはそんな中にも強烈な自尊心が見え隠れしたり、誰よりも強いヒーローへの憧憬が見えたり、アニメのキャラクターとしてわかりやすい一貫性がないこと。それが人間味ある魅力に繋がっているとも言えるだろう。

 しかも爆豪は、デクの成長や活躍を目の当たりにしたり、本物のヴィランと接触したりしていくなかで「今のままでは目標に掲げてきたオールマイトを超えるNo.1ヒーローにはなれない、これ以上成長できない」と気付く。だが、爆豪はそこで腐ったり、闇落ちしたりすることはない。自分自身を変えるという簡単そうで一番難しい行動を取るのだ。B組との合同戦闘訓練でも、今まで力技一辺倒だったところをチームメイトたちに戦略を伝え、協力する姿勢をして見せた。こうした人間味溢れる魅力と、意外にも素直で柔軟性がある部分が人気の秘密になっていそうだ。

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