『君の膵臓をたべたい』アニメ版の見どころは? 実写版とは異なる演出に注目
『君の膵臓をたべたい』は、2017年に浜辺美波と北村匠海のW主演で実写映画化された。実写版は、桜良の死から12年後の現在から物語が始まり、小栗旬演じる“12年後の僕”の回想としてストーリーが進んでいく。桜良が死んだあとも、懸命に生きている遺された者の苦悩が伝わってくる作品だった。
対してアニメ版は、小説と同じく、桜良の葬儀に行くことができなかった“僕”が葛藤しているシーンからスタートする。高校時代の場面しか描かれず、より原作に忠実に制作されている。観賞後に抱く感情も両作では異なるため、また違った作品として楽しむことができるはずだ。
ヒロイン・桜良のイメージも少し異なる。浜辺美波が演じた実写版の桜良は、ショートカットで明るい性格だがどこか儚い。反対に、アニメ版の桜良は、ロングヘアで茶髪。さまざまなヘアアレンジを見せたりといわゆる“今ドキな女の子”という印象だ。
さらに身長も異なる。実写版は“僕”と桜良の身長差がかなりあるため、守りたくなるヒロインに見えた。だが、アニメ版は、「僕」と身長がそんなに変わらない。そうした細かな点から、桜良というキャラクターの見せ方を変えているように思える。実際にアニメ版での桜良は、実写版よりもついていきたくなるような頼もしいキャラクターに映っているのだ。
物語の描き方、桜良のキャラクター性など、実写版とアニメ版の視点の違いが面白い。両作を比較しながら観ることで、この物語の魅力をより立体的に汲み取ることができるはず。ぜひ地上波放送で、その違いに注目してみてほしい。
■放送情報
『君の膵臓をたべたい』
日本テレビ系にて、7月23日(金)21:00〜22:54放送
原作:住野よる
監督・脚本:牛嶋新一郎
アニメーション制作:スタジオヴォルン
声の出演:高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見
(c)住野よる/双葉社 (c)君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ