【ネタバレあり】『ロキ』S2制作、『ワンダヴィジョン』エミー賞ノミネート MCUドラマの快進撃

※本記事は『ロキ』に関するネタバレを含みます。

 7月14日に最終話が配信されたマーベルドラマ『ロキ』。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で行方をくらましたロキのその後が描かれ、最終話は重要な新キャラが登場。衝撃的なラストを迎えたが、エンドクレジットに現れた「LOKI WILL RETURN IN SEASON2(ロキはシーズン2に帰ってくる)」というスタンプから、続編の制作決定が明かされた。これは『ワンダビジョン』に始まった、Disney+展開のマーベルドラマの中で初めてのこと。まるで本編に何度か登場した「ロキは生き残る」という台詞通り、シリーズも“生き残った”ようだ。

 『ワンダヴィジョン』も『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』も劇中の謎や大きなイベントなどは解決し、それぞれが映画最新作に向けての布石を残す形で幕を閉じた。ところが『ロキ』に関しては謎が謎を呼び、解決どころかさらなる問題を生んで『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』へのお膳立てとクリフハンガーとしての役割を担っている。実は、最終話放送前からマーベルのプロデューサー、ネイト・ムーアは複数シーズンでより語るべき物語が『ロキ』にはあるという発言をしていた。さらに、5月には『エージェント・オブ・シールド』の花形であり、『アベンジャーズ』ではロキに刺されたコールソンを演じたクラーク・グレッグが、「トム・ヒドルストンは『ロキ』を撮影する上でマーベルと10〜12話制作程度の予算で仕事をしていると教えてくれた」とうっかりメディアに話してしまっていたのだ。彼の発言も踏まえると、おそらくシーズン2も6話構成でトータル12話、という見立てが手堅い。

 さて、一方『ワンダヴィジョン』は先日、2021年の第73回エミー賞でリミテッド・シリーズの作品賞にノミネートされた。作品賞以外にもリミテッド&テレビ映画部門の主演男優賞にヴィジョン役のポール・ベタニーが、主演女優賞にワンダ役のエリザベス・オルセンがノミネートされ、そのほかトータルで23もの部門にノミネートされている。

 一方、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は5つのエミー賞ノミネートという結果に。『ワンダヴィジョン』がリミテッド・シリーズ作品賞に提出されたのに対し、本シリーズはドラマ部門に提出されていたことから作品賞ノミネートのハードルが高まり、残念ながらそれは叶わなかった。しかし、あれだけの語られるべき物語を描いた作品として、マーベルのその判断は支持したいと思う。では『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』が何にノミネートされたかというと、ドラマ部門の音響編集賞、視覚効果部門、ドラマ部門のスタント・コーディネーション賞およびスタント・パフォーマンス賞、そして……ゲスト男優賞?

 なんと、第1話に95秒つまり約2分間だけ登場したジェームズ・“ローディ”・ローズ役のドン・チードルが、エミー賞にノミネートされたのだ。これにはファンも、そして当の本人も困惑している。

 「応援してくれた人たち、ありがとう。僕のアンチたち、ごめんね。意味がわからない人、同意するよ。僕もなんなのか本当に理解できないがあああ………我々は進んでいくしかない…」というドン・チードルのツイートからも、本人が喜ぶべきなのかどうかすらわからない様子がうかがえる。ちなみに、過去にもこのエミーのゲスト賞に関しては珍ノミネートが多く、疑問視される声も多く上がってきていた。

 何はともあれ、2021年より始動したマーベルのオリジナルドラマシリーズは、どれも華々しい結果を残していることになっている。コロナ禍ということもり、ステイホームの形で紡ぎ続けてきた、ヒーローたちの物語。これにはケヴィン・ファイギも鼻高々なのではないだろうか。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。InstagramTwitter

■配信情報
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ『ロキ』
ディズニープラスにて独占配信中
監督:ケイト・ヘロン
出演:トム・ヒドルストン、オーウェン・ウィルソン、ググ・バサ=ロー、ウンミ・モサク
(c)2021 Marvel
公式サイト:https://disneyplus.disney.co.jp/program/loki.html

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