北村匠海と浜辺美波も“縦型映画”に大きな期待 TikTok×東宝のコラボ映画祭グランプリ決定

 ショートムービープラットフォームのTikTokと映画会社の東宝が共催し、新たなクリエイターの発掘と、新しい映画の在り方を創出することを目的とした映画祭「TikTok TOHO Film Festival 2021」の授賞式が、7月12日に都内で開催された。

 応募総数は5000を超え、公式ハッシュタグ「#TT映画祭2021」をつけた動画の総視聴数は5億3千万回以上にのぼったこの新しい映画祭は、スマートフォンの普及によって、誰もが手軽に映像表現ができる時代の、新しい映画の形を模索する目的で開催された。

 縦型の短尺の映像でどのような表現があり得るのか、クリエイターたちが模索する中、第1回の開催となった今回は、10作品がファイナリストにノミネートされ、その中から観客賞、準グランプリ、グランプリが発表された。

(左から)三池崇史監督、しんのすけ( TikTokクリエイター)、北村匠海、山田智和監督、浜辺美波

 授賞式に参加したのは、アンバサダーの北村匠海、グランプリ受賞者の新作映画で主演を務める浜辺美波、審査員の三池崇史監督、山田智和監督、しんのすけ( TikTokクリエイター)、そしてファイナルリストに選ばれた作品の代表者10名。

(左から)佐藤周、しんのすけ

 観客賞を受賞したのは、『日本の一番ヤバい場所』。プレゼンターを務めたTikTokクリエーターのしんのすけは、本作を「TikTokでは勢いが大事だが、この作品にはとんでもない勢いがあったのがよかった。あと『悪魔のいけにえ』を連想させるのも個人的にツボだった」と評価。代表者の佐藤周は「臨場感や生々しさを重視した。ここまでこれたのもフォロワーの方々のおかげ」と受賞の喜びを語った。

(左から)川波大輝、山田智和監督

 準グランプリに輝いたのは、『チェイス!!』。プレゼンターの山田智和監督は「TikTokらしさと映画らしさの2つの文脈を上手く使っている。縦型じゃないと撮れない表現があり、映像表現の新しい可能性を感じた」と高く評価。代表の川波大輝は「東宝とTikTokのコラボと聞いて、何ができるか計算して作ったので、そこが評価されたのが嬉しい」と狙いがばっちりはまったようだ。

(左から)吉川啓太、三池崇史監督

 そして、第1回のグランプリは『トラベルノート』が受賞。プレゼンターの三池崇史監督は「映画界では、数年前から映画とは何かが問われていて、世界の映画祭でも大きなテーマとなっている。今回、これが新しい映画なんだと既存の概念を壊して再構築しようという作品が集まった中で、グランプリにふさわしい作品だ」と語った。代表の吉川啓太は「この映画祭は友達から教わり、TikTokのアプリをダウンロードするところから始めた。自主製作をしている時は、自分の表現したいことに加えて、誰かの心に届けたいという思いて撮っているので、一人でも多くの人に見てほしい」と受賞の喜びを語った。

(左から)吉川啓太、浜辺美波

 また、吉川はこれから浜辺美波主演で縦型の新作動画を撮影する権利を得た。目録贈呈を務めた浜辺は『トラベルノート』を見て、どんな方が監督されたのかとても気になっていたので、お会いできて嬉しい。縦型動画で演技するのは初めてなので、今から楽しみです」とこれから始まる撮影への豊富を語った。

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